実は今年も大流行 若年、中高年になるほど症状が強く出ている新型コロナ

 昨年の夏も新型コロナが大流行していましたが、実は今年も大流行しています。昨年は2類感染症だったので、外出規制がされていましたが、今年は5類になった影響で、社会的混乱がほとんどないように見えます。これだけ流行しても、世間ではマスクなしでの外出や大人数での会食も規制なく行われているようです。

 テレビでニュースになることも激減しました。病院でも、保健所に届ける書類がなくなったため、昨年よりも混乱は少ないようです。本来あってはならないのですが、昨年までは多忙ということだけで院内の雰囲気も殺伐としていました。

 現場にいて、昨年と違う印象を受けるのは、感染力は強いけれどもウイルス自体の毒性はさらに弱くなっているのでは、ということです。また、高齢者の患者さんほど症状が弱く、若年、中高年になるほど、発熱、咽頭痛、咳嗽などの症状が強く出ています。あくまでも個人的な印象ですが、ワクチンの効果もよくわからなくなっています。昨年、今年と2年連続で罹患している患者さんも多く見受けられます。

 他にも変わった点としては、インフルエンザ、アデノウイルス、溶連菌などの感染症が増えてきたことです。通常なら、風邪やインフルエンザの感染症は秋から冬、春にかけて流行しそうなものですが、この猛暑の中で感染症が流行するというのはウイルスや細菌の感染様式、繁殖様式も新型コロナの流行から変わってきたのかもしれません。

 昨年同様、猛暑で湿度も高い状態なのに感染症が流行しています。マスクは感染を防ぐことはできないという意見もありますが、マスクを着用することは、うがい、手洗いなどの感染症予防の意識を高める効果はあるのかもしれません。まだまだ広がる印象があります。感染対策は引き続き行いましょう。

 ◆谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。

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