RSウィルスは予防が大事 肺炎リスクの高い人は要注意 ワクチン使用OKとなればうまく利用したい

 RSウィルスってご存知でしょうか?風邪ウィルスの一種ですが、乳幼児がかかるとひどい気管支炎や肺炎になることがあります。大人にも感染しますが、たいていは軽い風邪で終わります。

 風邪症状があって新型コロナ、インフルエンザウイルス検査が陰性の場合、RSウイルスが原因かも知れません。高齢で、肺や心臓、肝腎機能の悪い方、糖尿病の方など免疫力が弱い方はRSウイルス肺炎をおこすことがあり、時に重症化し命にも係わります。多くの風邪ウイルスと同様に特効薬はなく、自身の免疫力で治すしかないので予防が特に大切になってきます。

 最近RSウィルスのワクチンが承認され、おそらく来年から使えるようになります。このワクチンの投与で入院率や重症化率を4分の1に減らすことができます。適応は60歳以上の方ですが、おそらく高額で公的助成も最初はないでしょうから、前述した肺炎リスクの高い方にお勧めすることになりそうです。

 様々なワクチンが登場し患者さんは混乱されていると思います。ざっくりいうと、ほぼすべての人は重い副反応の経験やアレルギーがない限り、まず新型コロナワクチンを打ち、続いてインフルエンザワクチンを打つのがいいと思います。さらに65歳以上の方は公的助成のある肺炎球菌ワクチンを打ち、免疫力が弱い方はRSウィルスワクチンを考慮すればいいと思います。

 人類の生存の歴史は、感染症との戦いの歴史でもあります。人類の寿命の飛躍的な伸びには、ワクチンによる感染症死の減少が少なからず貢献しています。最近ワクチン接種を敬遠する風潮を見かけますが、うまく使うと健康寿命を伸ばすことができますのでかかりつけ医に相談してみて下さい。

 ◆西岡清訓(にしおか・きよのり)兵庫県尼崎市の「にしおか内科クリニック」院長。呼吸器、消化器疾患を中心に一般内科診療などを行っている。

編集者のオススメ記事

ドクター備忘録最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス