危険な食品添加物 アスパルテームなど合成甘味料は1日摂取量超えないように

 食品添加物は身近に多々ありますが、あくまで大量摂取すると危険、ということですので知識としてお読みいただければ幸いです。種類が多いので、ざっとご説明します。

 まず「亜硝酸ナトリウム(発色剤)」。肉の色を鮮やかに保ち、腐敗を防止します。主にハム・ソーセージなどの食肉製品や、いくら、たらこなどにも使われています。「発がんリスクの証拠はない」と結論づけられていますが、別の物質と結びつくとリスクが高まります。タンパク質から代謝合成される物質「アミン」と亜硝酸ナトリウムが結びつくと、発がん性の「ニトロソアミン」に変化することがあります。

 「アスパルテーム(合成甘味料)」は、低カロリーでありながら砂糖の約200倍甘いとされる合成甘味料です。主に飲料、菓子、チューインガム、ヨーグルトなどに使用されていますが、一日量は「40mg/kg体重/日」以内と定められています。動物実験では発がん性、ヒトでも摂取していない人と比べて、がんリスクが13%高いことが示されています。

 「赤色3号、赤色102号、黄色5号、青色1号、青色2号(着色料)」は合成着色料であるタール色素です。様々な研究でタール色素には発がん性などの毒性が指摘され、世界各国で使用が制限されており、現在では11種類のみが許可されています。ヒトへの急性毒性は認められていませんが、動物実験において甲状腺腫瘍などの症状が認められたことから、国によっては規制対象のものもあります。

 動物実験では発がん性は認められなかったものの、児童の多動性(ADHD)や肝機能低下、赤血球の減少がみられる着色料もあります。ただ、一定量を超える大量摂取しない限り、人体への影響はないとされています。

 このほかにも「安息香酸ナトリウム(保存剤)」「ソルビン酸カリウム(保存料)」「OPP、TBZ(防カビ剤)」「臭素酸カリウム(パン生地改良剤)」「カラギーナン(ゲル化剤)」など、枚挙にいとまはないのですが、いずれも世界中で「人体に健康被害を起こさない摂取量」をしっかり決めています。皆さんが普段、普通に食事される分にはご心配に及びません。

 ただし、注意していただきたいのは「アスパルテーム」などの合成甘味料です。ガムやアメに含まれている分には問題ないのですが、「スポーツドリンク」や「熱中症予防飲料」にも含まれています。夏場に何リットルも飲むと、1日摂取量を超えてしまう可能性があります。

 では、なにを飲めば良いのか。答えは簡単、「塩水」です。熱中症の予防には0.2%濃度の食塩水を飲むのがいちばんです。0.2%食塩水の作り方は2リットルのペットボトルに入れた水に食塩4グラム、ティースプーンすりきり一杯です。冷やすと意外に美味しく飲めます。ぜひお試しください。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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