【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】人間関係は、年齢に関係なく変えていけるもの

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】 学生時代からの友人も含めて知り合いは多い方だと思いますが、いわゆる「何でも話せる親友」がいません。食事に行ったりする相手はいるものの、どこか一歩踏み込めない関係が多く、広く浅い付き合いにとどまっている気がします。周囲を見ると、特定の友人と深い関係を築いている人も多く、少しうらやましく感じることがあります。一方で、今の気楽な関係が心地よい部分もあり、無理に変えるべきなのか迷っています。私は間もなく還暦を迎えます。退職後のことを考えると、妻以外に「何でも話せる」相手がいないことに何とも言えない不安感を覚えます。広く浅い付き合いを続けることに問題はないのでしょうか。それとも、意識してでも関係を深める努力をした方がよいのでしょうか。

 【回答】 長く社会人として生きてこられた中で、人との関係についてこうして立ち止まって考えられていること自体、とても誠実だと思います。

 まずお伝えしたいのは、「何でも話せる親友がいない=問題がある」ということでは決してない、ということです。人との関係性は人それぞれで、広く浅く付き合うことを心地よいと感じる方もいれば、少数と深く付き合う方が合う人もいます。どちらが正しいというものではありません。

 むしろ、これまで多くの知り合いと良好な関係を築いてこられたということは、あなたが人と自然に関われる力を持っている証拠です。気楽に食事に行ける相手がいるというのも、決して小さな価値ではありません。年齢を重ねるほど、その「無理のない関係」を持ち続けること自体が難しくなっていくものです。

 一方で、還暦を前にして「このままでいいのだろうか」と感じる気持ちもよく分かります。仕事を離れた後、人とのつながりの質や量が変わることを想像すると、不安が出てくるのは自然なことです。

 ここで大切なのは、「今の自分に本当に必要な関係は何か」を考えることです。必ずしも“何でも話せる親友”という形にこだわる必要はありません。人は一人の相手にすべてを求めるよりも、「この話はこの人」「この時間はこの人」と、関係を分散させたほうが安定することもあります。

 ただもし、「もう少し踏み込んだ関係がほしい」と感じているのであれば、それは自然な欲求です。その場合は、大きく関係を変えようとするのではなく、今ある関係の中で“少しだけ自分を開く”ことから始めてみてください。たとえば、これまで話してこなかった自分の考えや悩みを、ほんの少しだけ言葉にしてみる。それだけで、関係の質が変わることがあります。

 人との距離は相手が決めるようでいて、実は自分の出し方で変わる部分も大きいものです。無理に深くなろうとする必要はありませんが、「一歩だけ踏み出してみる」ことで、思いがけず心地よい関係に変わることもあります。

 そしてもう一つ。すでに奥さまという「何でも話せる存在」がいることは、とても大きな支えです。それは決して当たり前のことではありません。その関係を大切にしながら、外の世界とのつながりをどう持つかを考えればいいと思います。

 結論として、今の「広く浅い関係」を無理に否定する必要はありません。ただし、もし心のどこかで物足りなさを感じているのであれば、小さくでも関係を深める方向に動いてみる。その“余白”を持っておくことが、これからの安心につながると思います。

 人間関係は、年齢に関係なくこれからも変えていけるものです。焦らず、ご自身にとって心地よい距離感を探していってください。それが一番長く続く関係になります。

 ◆西村誠司(にしむら・せいじ)1970年生まれ、愛知県出身。「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万7000人。

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