もう「オワコン」なんて言わせない!再び注目集めるラジオ ハイヒール・リンゴ「私の夢はそこから始まった」

 今、若い子たちの間で、ラジオが熱いそうです。テレビやネットに押され、一時は「オワコン」とまで言われたラジオの“復権”。私はラジオが大好きで、ラジオのDJになりたくてこの世界に入ったから、本当に本当に嬉しくて。

 中学高校のときには「夜に物音がすると怖いから」とずっと深夜ラジオをかけていました。大学生になり、たまたま昔京都の新京極にあった「京都花月」前で、オール阪神・巨人さんの「来たれ!NSC(ニュースタークリエーション)」という看板を見て「わ!DJコースがある」と入学。最初はホントにあったのです。「アイドルコース」も。でもいざ入ってみたら「新喜劇」「漫才」「歌手」「その他」しかない。さすが吉本(笑)。でももう入学金も学費も払ってしまっているし、「人との会話の呼吸を学べてDJになるのに役に立つかな」と漫才コースへ。同期の5歳年下の女の子とコンビを組んだものの、10代の5歳差は大きすぎて。「もう辞めようかな」と思っていたときに、紹介されたのがモモコだったのです。それが今まで続いているわけですから、何とも縁って不思議なものです。

 でも、師匠のもとに弟子入りして芸を磨くのが主流の時代。「弟子にも付かんと学校で促成栽培か」と当時は私たち1期生に対する風当たりは厳しく、お正月恒例の師匠からの“お年玉”も「君らはNSCの生徒やな」と私たちだけ貰えないこともありました(確かに師匠の身の回りのお世話を全てするお弟子さんと違ってNSC学生はバイトもできるし、今考えると当たり前なのですが)。

 そんな先輩方に萎縮してしまう毎日を過ごす中、私たちコンビはプライベートもずーっと一緒。でも、初めてラジオのお仕事を頂いた時に「君ら声が似てるな」と言われて。ラジオって映像が無いから、声が似ているとどっちが何を喋っているかが分からず致命的。だから私たちは「私ね」ではく「リンゴね」「モモコね」とあえて自分で名前を言うようにし、それぞれ違う話題を展開させられるよう、プライベートも別行動する事を始めました。

 ほかにもラジオでは「これぐらい」とか「あっち」とかはNG。代わりに「○○ぐらいの大きさで」や「右側の」「モモコに近い方の」など、皆がすぐ想像できるような表現をすごく考えて、話を展開できるようになりましたし、本当に勉強させていただいています。

 おかげさまでずっとラジオの仕事をさせていただき、「ほんとに夢が叶ったんだなぁ」としみじみ。ラジオは数年前には「オワコン」とまで言われましたが、私は古典落語と同じで、ラジオは必ず残る文化だと信じています。私の旦那さんがラジオ局に勤務していたこともあって、我が家はラジオのニーズがかなり高め。地方の温泉に旅行に行く時もその土地のラジオを聴いて、方言になごんだり、地域で盛り上がっている事や人気のお店を知ったり。ラジオって、より生活に密着した媒体ですから、旅が何倍にも面白くなるのです。

 最近ではラジオアプリの「ラジコ」で聴いてくれる若い子も増えています。映像を目で追わなくていいので「ながら仕事」もしやすいし、何よりラジオはDJや出演者とリスナーの距離が近いのが魅力。私たちのMBS(土)13:00-13:50「ますます!ハイヒール」はもう22年目を迎えますが、それも、長く聴き続けてくださるコアなファンの皆さまのおかげ。「テレビ見てます」「漫才見ました」もとても嬉しいですが、やはり「ラジオ聴いています!」と言われるのが本当に嬉しいです。

 ただ、少し引っかかるのは、最近のラジオのCMが健康食品やお葬式など、少し年配向けと思われるものばかりなこと。病院で聞いておられる方もたくさんおられるのに「お葬式は…」ってちょっとザワザワ。コンテンツの良さも改めて見直されていますし、ぜひ若い人向けの楽しくなるような番組やCMもお願いします!

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