女性がメークやおしゃれにこだわるには理由あり
良く言えばしっかりしてる、悪く言えば気が強いと思われがちな私ですが、ノーメークの時はめちゃくちゃ気が弱いんです(笑)。つい先日も、お化粧せずに新幹線に乗っていて後輩と会ったのですが、全く私だと気づかれなくてちょっぴり悲しい思いをしました。「小さいオッサンやと思ってました」。ちょっといくら何でもあんまりじゃござんせんか。
基本的に私は仕事が終わったら、お化粧を落としてしまうタイプ。メークは「ハイヒール・リンゴ」になるためのものであって、「リンゴ」が終わればメークを落として本名の「美村美紀」に戻るというのが私の中のメークの位置づけ。そのことでオンとオフを分けているつもりなのです。
最近、仮釈放を控えた九州の女性受刑者たちのためにメークアップ講座が開かれているというネット記事を読みました。出所後に自信をつけて社会復帰してもらおうとビジネスメーク術を教えるのだそう。いろいろな支援がありますが、これはめちゃくちゃ役に立つ支援だと思います。1つ自信を持つことが、過ちを繰り返さないということにもつながるのではないでしょうか。
同じように最近、介護の現場などでメークやネイル、アロマ、マッサージを行う「ケアビューティスト」といわれる方々が注目を集めています。介護の施設に入ると、団体生活ですので「爪は短くきれいに」「髪は洗いやすいようショートカットに」と色々と気遣わねばならないことが多く、だんだん自分らしさがなくなってくる。
加齢のせいでメンタルもやられるでしょうし、施設の方々に聞くとやっぱり協調性や喜怒哀楽も乏しくなってくるらしいのです。でも、ケアビューティストにメークやネイルをしてもらうことで穏やかな時間が増え、ゲーム大会などイベントへの参加意欲も変わって良い効果が出ているんだとか。
女性にとってメークやおしゃれをすることは、男の人には想像もできないようなすごいパワーがあると思うのです。江戸の時代に大岡越前が自分の母親に、女性はいつまで女性なのかと聞いたところ「灰になるまで」と答えたというのは有名な話ですが、何歳になっても自分をブラッシュアップするのはとても大事なこと。実際この3年でケアビューティストを利用する施設が42倍に、利用者は27倍に増えたそうです。
私自身がジェルネイルを始めたのは40代で、ピアスの穴を開けたのは50代後半。当時のマネージャーには「何で今更?」と言われましたが、「何が今更や!」と言い返しました(笑)。そういうことに遅すぎるということはなく、ずっと生き生きとしていたいと思うのは当然のこと。「今更」なんて思わず「人生常に前向き」で生きたいものですね。