北京五輪柔道金・石井慧“サトシ・イシイ”がボクシング初星ゲット デビュー戦で判定勝ち

 高山秀峰(左)を激しく攻めるサトシ・イシイ(撮影・高部洋祐) 
 試合後、ひざをつく高山秀峰(左)をねぎらう(撮影・高部洋祐)
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 「ボクシング・3150FIGHT vol.3」(14日、エディオンアリーナ大阪)

 元世界3階級王者の亀田興毅ファウンダー(35)がプロデュースする大会はボクシングデビュー戦となるヘビー級4回戦に臨んだ2008年北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの石井慧ことサトシ・イシイ(35)=クロアチア=が2-0の判定で、高山秀峰(30)=スパイダー根本=に勝利した。メインの日本ヘビー級王座決定戦では但馬ブランドンミツロ(27)=KWORLD3=が、1回1分9秒TKOで韓国同級王者のイ・ソンミン(31)=韓国=に圧勝し、史上最短の2戦目で日本王座を獲得した。

 ボクシングデビュー戦を白星でクリアした。ひげ面にクロアチア国旗のイメージが入った黒色のトランクスで登場したイシイはサウスポースタイルで初回からじわじわと圧力をかける。相手をコーナーに押し込み、反撃の機会を与えなかった。

 2-0判定勝利に「やっぱり餅は餅屋。K-1でも同じことを言いましたが、実際やってみると難しいところがある」と初挑戦のボクシングについて語った。試合後には亀田史郎氏から「もっとショート磨いた方がいいとアドバイスされた」と課題も見えた。

 この日、日本ヘビー級王座を獲得した但馬ブランドンミツロ(KWORLD3)との対戦を熱望していた。しかし「踏み台にもならないです。もっと経験しないと」と実力差を痛感し、現実を見据える。ただ、巨体を生かしたフィジカルは上のクラスにも通用する可能性を見せた。対戦相手の高山は「岩や大木を押しているようだった」と衝撃を語った。

 クロアチア国籍を持ち、同国でボクサーライセンスを取得。「サトシ・イシイ」のリングネームの海外選手として日本でデビューした。今後もボクシング活動の継続を望む。生活の拠点を置くクロアチアではすぐに試合を組むことも可能だという。

 デビュー戦を経験して「僕は世界王者には絶対なれない。年齢のこともある」と改めて再確認。その代わり「息子にやらせたい。僕は柔道の一番上の景色を見たので息子にはボクシングやらせたい」とも話した。好奇心から挑戦したボクシングに「楽しかった」と充実感を漂わせた。

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