王者・吉川梨優那 僅差判定でV2ならず 野上オーナー「これをキャリアにまたこの舞台に」

 V2戦に臨んだ吉川(右)とアドバイスを送る野上オーナー
 中野(右)の右ストレートが吉川にヒットする
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 「ボクシング・WBOAP女子ミニマム級タイトルマッチ」(12日、後楽園ホール)

 24年の女子ボクシング開幕興行でWBO女子アジア・パシフィック・ミニマム級王座の2度目の防衛を目指した王者・吉川梨優那(22)=ディアマンテ=は、0-2の判定(96-96、95-97×2)で、挑戦者のWBA女子世界アトム級9位・中野真由美(26)=中野サイトウ=に敗れ、王座を失った。

 吉川は元女子世界王者の野上奈々会長(現役時は好川菜々)が主宰するディアマンテジム(堺市)が輩出した初の王者。東京に乗り込んでの防衛戦で世界進出をアピールしたかったが、無念の結果となった。

 初回、ジャブをヒットすると、上下に打ち分けて上々のスタートを切るなど前半はテンポの良さで攻勢をアピールした。しかし4回から中野がギアを上げ、5回にはワンツーを受けた吉川が鼻から出血。その後も中野が圧力をかけて左フックで攻め、吉川がサイドの動きで回避しながら、細かくコンビネーションを打ち返す熱戦が続き、最終回のゴングを迎えた。

 僅差の判定で王座を失った吉川は「自分のペースで戦えませんでした。いろいろと作戦は用意していましたが、出し切ることができませんでした」と振り返った。

 トレーナーを担うディアマンテジムの野上真司オーナーは「出だしは良い感じでボクシングができていましたが、全般を通して足が動いていなかった。中野さんの闘志はすごかった。吉川は中盤の劣勢で冷静さを失ってしまったことが敗因だと思います。王座を失う辛さは本当にきついと思うが、これをキャリアにしてまたこの舞台に帰ってきてほしい」と話した。

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