無冠の帝王・岡見勇信、悲願の初タイトル奪取「自分に打ち勝つことができた。人生はこれからも続いて行く」
「格闘技・修斗」(30日、後楽園ホール)
UFCやONEなど海外の大手団体にレギュラー参戦し、UFCとWSOFではタイトル挑戦も経験したMMAのメジャーリーガー、岡見勇信(43)=EXFIGHT=が、メインの世界ミドル級チャンピオン決定戦5分5回戦でキム・ジェヨン(41)=韓国=に判定勝ちし、第6代王者となった。
世界的なトップファイターながらこれまでタイトルとは縁がなかった無冠の帝王・岡見は、初めてチャンピオンベルトを腰に巻いて「本当に夢みたいです」と、とびきりの笑顔を見せた。
練習中に首を負傷し、「病院と練習の往復みたいな感じだった」という岡見は、首に負担がかかる得意の組み技を封印し、打撃でポイントアウトする「僕にできる精いっぱい」の戦略を選択。全ては「このベルトを巻くことだけが私の使命」だったからで、近い関係者からは欠場をすすめられたが、「キャンセルすることは頭に一切なかった」と明かした。
岡見はキムの強烈な左ローを何発も右脚に被弾しながらも、パンチと蹴りを上下に打ち分けてくるキムに決定打を許さず。右ジャブを突きまくると左ストレート、左ミドル、左膝蹴り、左三日月蹴りを効果的に入れていき、特に三日月蹴りは、効いたのが「顔で分かった」という。
ジャッジ3者とも48-47を付ける僅差ながら、3-0の判定をものにした岡見は「UFCで失敗して、他の団体でも失敗して、本当に苦しい期間で心配もあったけど、この修斗のベルトを巻けて本当にうれしいです!」と絶叫した。
試合後、長男の真くん(10)を初めてリングに上げた岡見は「自分に打ち勝つことができた。人生はこれからも続いて行く。このことは息子、練習仲間、若手に伝えていきたい」と思いを明かし、長く岡見を取材してきた記者たちに「ここになんとか着地できました。皆さん、長い間本当にありがとうございました」と頭を下げていた。
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セミの環太平洋ライト級チャンピオン決定戦は、エフェヴィガ雄志(25)=TRIBE TOKYO MMA=がマックス・ザ・ボディ(40)=BRAVE=を破り、ベルトを巻いた。
打撃ではマックスの右パンチ連打をもらうシーンもあったが、左膝蹴りを効果的に決め、グラウンドでは圧倒。バックマウントパンチから3回3分17秒、スリーパーホールドで一本勝ちした。
MMA10戦全勝でベルトを巻いたエフェヴィガは「ちょうど10戦目でチャンピオンになることができて最高です」と喜びつつも「試合内容は最低だった。なかなか思った通りにうまくいかない」と反省。全勝を「一戦一戦勝ちながらも失敗して学んで成長してきた証だと思う」として「これからも学び続けて勝ち続けたい」と誓った。
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新人王決定トーナメントフライ級準決勝は、シモン・スズキ(24)=和術慧舟會HEARTS=が、ここまで5戦全勝のスーパー高校2年生・中池武寛(17)=パラエストラ小岩=に1回4分37秒、TKO勝ちし、決勝に進出。右パンチでダウンを奪うと、最後は鉄つい連打でレフェリーが試合を止めた。
インフィニティリーグフライ級は、判定勝ち以上で優勝の須藤晃大(25)=EXFIGHT=が、亮我(25)=ゴンズ=に2-0の判定勝ち。勝ち点11として優勝を決め、賞金100万円を獲得した。