辰吉丈一郎ジュニアの寿以輝 初タイトル挑戦に向け計量パス「倒したもん勝ち。12R戦うつもりない」
「ボクシング・東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ」(12日、後楽園ホール)
王者・中嶋一輝(31)=大橋=に、元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎の次男で6位の辰吉寿以輝(28)=大阪帝拳=が挑戦するタイトルマッチの前日計量が11日、都内で行われ、中嶋は55・3キロ、寿以輝は55・0キロでともにクリアした。中嶋は10グラム超過したが、下着を脱いでパスした。
両雄はフェイスオフでは全く目をそらさずにらみ合い、握手も交わさず退場。既に臨戦態勢といった様子だった。
タイトル初挑戦の寿以輝は「(減量は)順調に進んでました。うまく行った方だと思います」と好調をアピール。中嶋と向かい合って「印象は特に変わらずです」といい、中嶋の10グラム超過は「気にならないです。誤差です」と笑い飛ばした。対サウスポーについては「全然苦手ではないんですけどね。オヤジ同様苦手やと思われてますけど」と強調した。
勝負の鍵は「勝負強さじゃないですか」と語り、「もちろん」とKO決着を宣言。「(辰吉家の)美学ですよね、それはもちろん。殴り合いなんで。パワフルにはパワフルでしょう。別に当たっても僕は倒れる気ないんで。最後に倒したもん勝ちなんで。当てたもん勝ちやないですよ、倒したもん勝ちですよ」と自信を漂わせた。
3日前には父・丈一郎が自宅に訪ねてきたといい、「気合やと言うてましたね。なんでも気合なんで、たぶん。気合しかない」と明かす。「オヤジ同様、気合で行こうかなと思います。やることはやってきたので。12ラウンド戦うつもりはもちろんないですよ」と改めてKO決着を宣言しつつ、「でも12ラウンド戦える体は作ってきました」と、長期戦の可能性も想定していた。
対する中嶋は「身長が低い」とフェイスオフの感想を述べ、コンディションは「完璧です」と強調。ネームバリューがある相手である上に自身も関西出身とあって「関西同士の対決、気合入ってますね」と明かした。
寿以輝の父・丈一郎については「見たことないんで」と気にするそぶりは見せなかったが、「辰吉という名前なんで注目度は高いかなと思います」とやりがいは感じている。「うまく戦って、倒せる時に倒そうと思います」と、こちらもKO宣言していた。