「ＯＮＥ１７２」（２３日、さいたまスーパーアリーナ）

　大会前会見が１７日、都内で行われた。メインでキックボクシングの頂上決戦に臨む元Ｋ－１で３階級制覇の武尊（３３）＝ｔｅａｍ　ＶＡＳＩＬＥＵＳ＝と、元ＯＮＥムエタイ・フライ級王者のロッタン・ジットムアンノン（２７）＝タイ＝らが出席。両者ともに元キックボクシングＲＩＳＥ王者で、現プロボクシングＷＢＣ世界バンタム級１位の那須川天心（２６）＝帝拳＝と対戦経験があるだけに、ＯＮＥのチャトリ・シットヨートンＣＥＯは「もし今回、武尊が勝てば、この三角関係はもっと面白くなる」と頂上決戦を煽り、「武尊ＶＳロッタンは必ずＫＯ決着になる。６０年以上のキックボクシング史上、最大の戦いといえる」とぶち上げた。

　最強を競う“三角関係”の真意について、チャトリ氏は２０１８年６月にＲＩＳＥに行われた那須川天心ＶＳロッタンの試合を挙げた。天心が苦戦し、５回判定となったが決着がつかず、延長１回を経て天心が判定で辛勝した一戦だが、「世界でも多くの関係者に聞いたら、みんな『ロッタンが天心に勝った』と言っている。（天心が勝ったと）日本のジャッジだけが言っている。ＳＮＳを見ても、日本のファンも５０％くらいはロッタンが勝ったという考えだった」と私見を述べた。そして、２２年６月の「ＴＨＥ　ＭＡＴＣＨ」で、天心が武尊に勝ったこと受け、「もし今回、武尊が勝てば、この三角関係はもっと面白くなる」と語った。

　チャトリＣＥＯの言及を受け、ロッタンは天心戦について「世界の皆さんが、私が勝ったといってくれるのはうれしいが、私はスポーツ選手として判定を認めている。実際に心も体も試合後は痛かったが」と改めて７年前の負けを認めた上で、「ぜひ、また機会があれば私の強さを証明したい」と、さらなる活躍を期した。

　ただ、チャトリ氏は「私は天心のファンで大好き。天心は素晴らしい選手」と強調。今回、天心と因縁のある２人の頂上決戦となるだけに、「（天心にも）会場じゃなくてもＰＰＶでも見てほしい。彼は格闘技が大好きで、キックが大好き、空手が大好き、ボクシングも大好きだからね」とラブコールを送った。