神戸・武藤痛みを我慢し決勝弾 激痛に耐えながらもフル出場 右脇腹付近「たぶん折れちゃってる」

 「明治安田J1、湘南0-1神戸」(20日、レモンガススタジアム平塚)

 神戸は途中出場のFW大迫勇也(33)のアシストでFW武藤嘉紀(31)が終了間際にゴールを決め、湘南に1-0で競り勝って2連勝とした。前節2位の広島は札幌と1-1で引き分けて昨季から15試合負けなし。G大阪は浦和に1-0で勝った。鳥栖は鹿島に4-2で勝って2勝目を挙げ、最下位を脱した。川崎-東京Vは0-0で、福岡-磐田は2-2で引き分けた。新潟は京都を1-0で下した。

 頼れる31歳が文字通り、“身を削って”チームを勝利に導いた。「たぶんちょっと折れちゃってる」と右脇腹付近の激痛に耐えながらフル出場し、試合終了間際に値千金の決勝弾。武藤は「アウェーでこれだけのサポーターの方々が来てくださっていたので、僕が痛みに負けるわけにはいかなかった」と誇った。

 0-0の後半追加タイム(アディショナルタイム)だ。負傷から復帰戦となった大迫がゴール前の混戦でボールを収めると、自ら打てる位置だったが、フリーだった中央の武藤へのパスを選択。「僕はただゴールを決めるだけだった」と冷静に右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

 後半途中から全力疾走後に、右脇腹に手を当てるしぐさが見られた。顔をゆがめるほどで、決して軽度な痛みではなかったが「痛みがある中の100%を出すようにした」と意識。吉田監督も「本人とメディカルとコミュニケーションを取った中で、大丈夫とのことだった。最後得点を取ってくれましたし、結果的によかった」と振り返った。

 チームは今季初の連勝。難しい試合を勝ちきり、初優勝につなげた昨年の粘り強さをほうふつとさせた。指揮官は「引き分けに終わっておかしくないゲームを勝てたのは大きい」とし、武藤も「ここで勝ち点3か1かっていうのは相当大きな違いがあった」と手応え。開幕から約2カ月-ようやく王者にエンジンがかかってきた。

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