余裕を持って戦え、誰が出ても戦えるだけの選手層もある日本 福西崇史氏の分析

 福西崇史氏
 前半、先制ゴールを決め、跳び上がって喜ぶ鎌田
 後半、チーム2点目のゴールを決め、喜ぶ小川(左端)
3枚

 「W杯アジア最終予選、日本代表2-0サウジアラビア代表」(10日、ジッダ)

 C組第3戦で、日本代表は2-0で勝ち、3連勝とした。前半にMF鎌田大地(クリスタルパレス)が、後半にFW小川航基(NEC)が得点した。15日には埼玉スタジアムでオーストラリア代表と対戦する。中国戦、バーレーン戦に続いて快勝した一戦を、2002年日韓、06年ドイツ杯日本代表の福西崇史氏が分析した。

 ◇  ◇  ◇

 我慢するところは我慢しつつ、先制点が欲しい中で取った。セットプレーで仕留められたし、全体を通してしっかり戦えた。

 先制した場面は、堂安が持っているときに南野がオーバーラップすることで相手を引きつけた。逆サイドへ展開する前に、選手が中に入ってくるので、相手のディフェンスが引きつられた。三笘がフリーになって、最後は鎌田へとつながった。相手を引きつける動きが肝。鎌田はスペースをうまく見つけられるし、特徴を出して、結果を残した。

 小川はセットプレーで取れたのが第一。自分の立ち位置を上げようという中で取れたのも大きい。次の2点目がほしいところで取れて、相手を意気消沈させた。試合を決められた。大事なところでよく決めた。上田もうかうかしていられない。後から中村と久保が交代で出てきたが、選手同士の厳しい争いがチームを引き上げる要因になる。

 ディフェンスもしっかりしていた。カバーの意識という点で町田、谷口、板倉の距離感は非常にいい。前半の鈴木の好セーブも大きかった。反応が速い。そこは彼の良さであり、スケールの大きさでもある。あの場面は1点を取られると勢いに乗られるし、大きなセーブだった。

 サウジアラビアを相手に、アウェーでの2-0は評価できる。暑くて、お互いの声が聞こえにくい中で、試合運びが難しくなるのは分かっていた。それでもギリギリの状況ではなく、余裕を持って戦えた。価値あるアウェーの戦い方が、結果をもたらした。

 日本はアウェーでも浮つかないし、油断をしない。状況に合った戦い方がチームとしてできている。誰が出ても戦えるだけの選手層もある。穴がなくなってきたし、安定感のある戦いが続けられている。

 オーストラリア戦はホームだし、しっかり勝ちたい。一方で、チーム間の競争意識は持たせ続けないといけない。次に誰を出すか。コンディションを考えながらだろうが、最初から試していくのか。次の試合が楽しみだ。

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