J1神戸 主力戻るも連勝ならず GK前川が痛恨判断ミスで失点 3連覇へ暗雲…6戦わずか1勝 J2降格圏も逆襲へ切り替え
「明治安田J1、鹿島1-0神戸」(29日、カシマスタジアム)
神戸は鹿島に0-1で敗れ、初勝利を挙げた前戦から2連勝はならなかった。鹿島は首位を堅持した。名古屋は2-1で横浜FCに競り勝ち、今季初勝利を挙げて最下位を脱した。1試合消化の少ない広島は京都に0-1で敗れ、6試合目で初黒星を喫した。町田は福岡との3連勝同士の一戦に2-2で引き分けた。新潟はG大阪と3-3で引き分け、開幕7戦勝ちなし。
首位キープに湧き上がる赤く染まったスタンドとは対照的に、J2降格圏の18位に落ちた神戸サポーターは静まりかえった。90分間でわずかシュート3本に抑えられ完敗。失点シーンは自滅で、流れを自ら手放した。開幕6戦を終えて1勝と、昨季2冠の王者に試練が続いている。
痛恨のミスが最後まで重たくのしかかった。前半33分、相手GKからペナルティーエリア前へのロングボールに対し、GK前川は前に出てクリアを試みる。だが、強風の影響でボールは失速。慌てて頭から飛び込むも、FWレオセアラに先に収められると、無人のゴールに流し込まれた。
ぼうぜんと、仰向けで天を見上げた前川。「普通に僕の判断ミス。ゲームを難しくしてしまった」と悔やんだ。吉田監督も「判断ミスだと思う。一つのミスが失点につながり、勝敗に分かれる部分でもある」と厳しい表情だった。
リーグ戦初勝利を挙げた前節から連勝で波に乗りたかったが、前戦で2ゴールを挙げたFWエリキら攻撃陣が不発。後半33分にはFW大迫が、ゴール前の決定機でシュートを放つも枠上に外れた。ピッチに右手をたたきつけて悔しさをあらわにした大迫。試合後は取材に応じず、バスに乗り込んだ。
目標のリーグ3連覇へ早くも暗雲が漂う。吉田監督は「連戦なのであまりネガティブなことは言わないで、気持ちを切り替えていきたい」と必死に前を向く。開幕戦で負傷交代したDF酒井が復帰を果たすなど、逆襲へのピースは戻ってきている。「あとは自分たちが今までやってきたことをやれば、勝てると思っている」と声を振り絞った指揮官。これ以上、後れを取るわけにはいかない。