元広島分析担当コーチ・久永啓氏が明かす森保監督の素顔「本当に観察力がすごい」 選手だけでなくスタッフにも細やかな気配り

 J1広島でリーグ連覇を遂げた久永氏(左端)と森保監督(右から3人目)
 メキシコ・モンテレイの宿舎に到着した森保監督(共同)
 現在は岡山理大経営学部で准教授を務める久永氏
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 2012、13年にJ1広島を率いたサッカー日本代表・森保一監督(57)の下で分析担当コーチを務めてリーグ連覇に貢献し、現在は岡山理大経営学部経営学科で准教授を務める久永啓氏(48)が本紙の取材に応じ、森保監督のチームマネジメント力を明かした。間近で支えてきたからこそ知る、指揮官の素顔に迫った。

 森保監督がじっと選手を見続ける。久永氏からすれば、13年前からその姿は変わらないという。「本当に観察力がすごいんですよ」。日本代表を率いる将のすごみはその“眼”から生まれていた。

 2012年、13年の2年間、久永氏はチームの頭脳となり森保監督を陰から支えた。分析担当コーチとして次の対戦相手を視察しながら、試合のない日はチームにも帯同。戦術案を考える上で指揮官のサッカー観を理解することは不可欠であり、ピッチ内外で同じ時間を過ごしてきた。

 食事会場で森保監督はよく一番奥の席に座っていたという。いつ来るか、誰と来るか、食事のペースは?ピッチ外でも選手の様子をチェックしていた。「いつもと(来るメンバーの)組み合わせが違う時はちょっと話しかけたり。その辺りもよく見ていました」。細かな気配りは選手にだけではない。スタッフの誕生日も頭に入れ、さりげなく祝福。「お誕生日おめでとうって、さらっと着替えながら。そういうことを自然とやられていたと思います」と当時を思い出しながら久永氏は笑みをこぼした。

 毎週火曜日が次の試合に向けてのスタッフミーティング。選手に分析情報を伝える木曜日の前に、集めたデータなどをスタッフみんなで擦り合わせるのが指揮官の方針だった。選手とのミーティングで前に立ったのは久永氏。森保監督からは「選手が自信を持ってピッチに立てるような分析をしてほしい」と言われていた。相手との力の差、相性の悪さなどマイナスの要素があったとしても伝え方一つで選手の受け取り方も変わる。選手がいいプレーをするための分析をモットーに久永氏は汗を流した。

 球際、攻守の切り替えにこだわった森保流のサッカーは当時から変わらない。「サッカーの幹みたいな一番真ん中の太いところを持っておられる。自分たちの良さを最大限に出して勝つという監督さんだと思います」。J1連覇をともに成し遂げた“上司”が挑む世界の大舞台。久永さんは静かにその行方を見守る。

 ◇久永啓(ひさなが・けい)1977年9月10日生まれ、48歳。岡山県出身。早大卒業後、筑波大の大学院に進学。2006年にサンフレッチェ広島でコーチに就任。2012年、13年は分析担当コーチとしてJ1連覇に貢献。データスタジアム株式会社のアナリストを経て、21年から岡山理大経営学部准教授を務める。

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