「北中米W杯・2回戦、ポルトガル代表0-1スペイン代表」(6日、ダラス)
決勝トーナメント2回戦で、スペインが4大会ぶり、ベルギーが2大会ぶりの8強入りを決めた。両チームは10日(日本時間11日)の準々決勝で顔を合わせる。ポルトガルは0-1でスペインに敗れた。今大会が最後のW杯と公言して臨んだFWクリスティアノ・ロナウド(41)=アルナスル=はフル出場したが、得点できず2大会連続の8強入りはならなかった。スペインは後半追加タイムにMFミケル・メリノ(30)=アーセナル=が決勝点を挙げ、前回大会から続く連続無失点を6試合に伸ばし、W杯最多記録を更新した。
ロナウドのW杯が終わった。ポルトガルのスターが「最後」と公言し、41歳で迎えた今大会。史上初の6大会連続ゴールを決めたが、最後の一戦は無得点で終えた。試合後は歩み寄ってきたスペインの18歳の「神童」ヤマルと抱擁を交わす。時代の移り変わりを告げる瞬間だった。「晴れやかな気持ちでここを去る」と、すっきりした表情で話した。
いつものようにワントップに君臨し、ゴールに迫った。前半12分にペナルティーエリア内右から放った鋭いシュートはGKの正面。37分には右クロスの折り返しに反応し、ゴールに背を向けながら右足で合わせて会場をどよめかせた。後半は思うようにボールを触れなかったが、終了間際に失点した後も仲間を鼓舞して諦めない姿勢を背中で示した。
フル出場して終了の笛を聞くと、こみ上げる気持ちを抑えるように唇をかみ、ゆっくりと一人でピッチの反対側へ歩き出す。ファンへあいさつすると、涙をこらえ切れなかった。
かつてのスピードや切れはなく、不要論もささやかれてきた。本人も全盛期をとうに過ぎたことは理解しつつ「得点できる、という点においては何も変わっていない」とプライドを持ち続けてきた。戦いを終えて肩の荷を下ろしたように「悲しいが、全てを出し切った」と結果を受け入れた。
バロンドールを5度受賞したスーパースター。長年比較されてきたアルゼンチンのメッシが前回つかんだW杯トロフィーには、ついぞ手が届かなかった。それでも試合前に「W杯で勝とうが負けようが、私がクリスティアノであることには変わりはない」と語った言葉は本心だろう。最後まで堂々と、エースの美学を貫いた。7万人を超える観衆が詰めかけたダラス競技場のスタンドからは代名詞の背番号「7」を背負ったヒーローの名がこだましていた。