「現代アートかと思った」四角いブロックを牛がなめると、星形や皿のような形に…これはなに?

四角いブロックが、なめらかなお皿の形や星形に変わっていく--。農場で牛のお世話係を務める男性が、牛がなめて削れたミネラルブロック(鉱塩)の写真をThreadsに投稿したところ、4000件を超えるいいねが寄せられました。削れ方は牛の「なめ癖」によって異なり、それぞれの個性がそのまま形に表れるといいます。「現代アートかと思った」という声が届いたほか、ヤギやアルパカの飼育者からも同様の鉱塩写真が寄せられるなど、思わぬ広がりを見せています。

投稿主は、広島の農場で牛のお世話係を20年ほど務める、なおさん(@naoyuki306)。

鉱塩とは、牛が健康維持に必要なミネラルを補うためになめる塩の塊のこと。牛舎などに置いておくと、牛が好きなときに自由になめられるようになっています。今回の投稿で使われている新品の鉱塩は、赤みがかった均一なブロック状で、両手で持てるほどの立方体です。

投稿に並べられた複数の写真は、その角の立った新品の鉱塩と、牛になめ続けられて形を変えていく過程をとらえたもの。使用後のものは中央が深くえぐれ、お皿のような形になっています。一方で、4つの角が丸く突き出た"星形"に近いものもありました。

なおさんによると、削れ方を決めるのは牛の「なめ癖」だといいます。

「一心不乱に真ん中ばかりをなめる子は綺麗なお皿型になりますし、角から攻める子、特定の方角からしかなめない子など、牛それぞれの個性がそのまま形になって表れるのが面白いところです」

新品からこうした形になるまでには、だいたい1~2カ月ほどかかるのだとか。

投稿のきっかけは、削れた鉱塩を見てふと「これ、独特な形だな。よその牛はどうなんだろう?」と思ったことだったといいます。

「軽い気持ちでSNSに載せてみたのですが、まさか半日で1500件以上もいいねをいただくような大反響になるとは夢にも思わず、正直こちらが一番驚いています(笑)」

同じ塩の塊が、なめる牛のクセひとつでお皿にも星にもなる--。その意外性と、生き物が無意識のうちに作り出した造形の美しさが、見た人の心をつかんだようです。反響は牛飼いや農家にとどまらず、ヤギやアルパカの飼育者からも鉱塩の写真が寄せられました。一般の人からは「現代アートかと思った」という声もあり、なおさんは「発信してよかったなと深く印象に残っています」と話します。

なおさんは投稿に、広島和牛を「少し盛り上げられたら」という思いも添えていました。今回の写真で鉱塩をなめている牛たちは、種雄牛などの「お父さん」として飼われており、直接食卓に届くわけではないそうです。それでも、その子や孫が、いずれ食卓の「お肉」になっていきます。

なめ癖が一頭ごとに違う形を刻むように、その一頭一頭の営みの先に、私たちの食卓がある--。なおさんは、そんな思いを写真に重ねます。

「食卓に並ぶ『お肉』になる前には、こうしたお父さん牛たちがいて、その子どもたちがいる。みんな毎日一生懸命に鉱塩をなめ、それぞれの個性を刻みながら生きていた。そんな『命のつながり』を、少しでも身近に感じていただけたら幸いです」

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