山口の海底炭鉱事故、国会報告 「次回は遺骨回収目指す」

 戦時中の水没事故で朝鮮人を含む183人が犠牲になった山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」で、遺骨回収を目指し10月に潜水調査した大阪市の水中探検家伊左治佳孝さん(36)が11日、国会内で活動報告し「次回はご遺骨までたどり着けると思う。回収できればご遺族も安らぐ」と話した。来年1月末に3日間の調査を実施する。

 地元市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が9月、事故後に埋められていた「坑口」を発見。伊左治さんは10月、水没した坑内を約200メートルまで進んだ。「水が濁って視界は手元が見えるくらい。坑口から300~400メートル、水深30メートル地点に遺骨があるはずだ」と話した。

 坑道の崩落を防ぐため、刻む会はクラウドファンディングで資金を募り、補強工事をする計画。また、遺骨のDNA鑑定のため、日韓の遺族に呼びかけ検体採取も予定する。集まった野党の国会議員らは「本来なら政府がやるべきこと。今後も働きかける」と述べた。

 水没事故は1942年2月に発生。朝鮮半島、広島、沖縄出身などの労働者が死亡した。

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