【阪神ドラフト選手特集・森木大智(1)】幼少期から怪物だった

 高知・森木大智
 森木が軽く投げたソフトボールは蓮池小の音楽図書館棟(中央の建物)の壁にぶち当たった
高岡第二イーグルスでプレーした森木(石元恭一監督提供)
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 10月のドラフト会議で阪神から指名を受けた8選手(1~7位、育成1位)の連載を本日からお届けする。初回はドラフト1位・森木大智投手(18)=高知=が生まれてからプロ入りの扉を開くまでの道のりを振り返る。

  ◇  ◇

 幼少期から“怪物級”だった。2003年4月17日、森木家の第2子として誕生。「泣き声が1番大きかったらしいです(笑)」と森木。生まれた瞬間から大物の予感漂う!?元気な男の子は、「大きな器と知恵を持ち、人に優しくできる人になってほしい」という願いを込めて大智と名付けられた。

 好奇心旺盛な少年で、恵まれた運動能力の持ち主だった。3歳から始めた水泳では、毎月行われる進級テストにあれよあれよと合格。保育園の頃から小学生と同クラスになるなど、常に2、3学年上の生徒と練習していた。よりレベルが高い「選手コース」から大会出場の誘いもあったほどだ。

 体格も桁違いだった。蓮池小3年時の身長はすでに高学年と同じ。毎年10センチほどのペースで伸び、6年時には170センチを超えた。それゆえに、パワーも別格。6年秋の土佐市陸上競技会へ向けた練習でのことだ。ソフトボール投げで大智が軽く投じた球は、50メートル以上先にある図書館の壁にボカン。それ以降、全力投球禁止令が出たという。大智が5、6年時に校長を務めた青木美珠さんは「普通だったら頑張って投げろって言いますよね。もっと飛ぶぞって。でも、大智君はもう投げないでって(笑)」とほほえましく振り返る。

 小学3年から軟式野球の「高岡第二イーグルス」に入団すると、ここでも規格外のスケールを発揮した。当初のポジションは捕手。「同級生で彼の球を受けられるキャッチャーがいなかったので…」と当時からチームを指揮する石元恭一監督が明かす。“投手デビュー”は4年時の低学年大会。最終イニングにお試しで登板した。「振り逃げ2つで5人の打者と対戦して全部三振でした」(石元監督)。まさかの1回5Kで、周囲の度肝を抜いた。

 最高学年の8月には県の選手権大会で優勝。秋には県選抜「高知ボーイズ」に選ばれた。参加した中四国大会では、最速127キロを計測。後に軟式で150キロ、高校で最速154キロを記録した才能の片りんを見せた。

 ただ才能があるだけでない。父に手伝ってもらい、ティー打撃300球を打ち込むことも日課だった。「小学生の手じゃないような。マメの上にマメができてという感じで」と石元監督は当時を振り返る。父が仕事から帰宅するまではランニング、シャドーピッチングなどに没頭。野球、サッカー、相撲とスポーツ経験豊富な父と相談して決めたメニューだ。

 練習に励む大智に、母はいつもお弁当を手作りしてくれた。大好物は唐揚げ。「お母さんの唐揚げが入っている時は当たりの日ですね(笑)」とくったくのない笑顔を浮かべる大智。「おかげでこの体になったので」と感謝はつきない。

 生まれ持った素質に加え、たゆまぬ努力と家族からのたっぷりの愛情が、怪物を育てた。そんな大智に、ほれ込んだ人物がい

た。

 【アラカルト】

 ◆生まれ 2003年4月17日生まれ

 ◆サイズ 184センチ、90キロ

 ◆血液型 O型

 ◆投打 右投げ右打ち

 ◆家族構成 父、母、姉

 ◆球歴 小学1年から蓮池ホワイトシャークでソフトボールを経験後、3年時に高岡第二イーグルス(軟式)で野球を始める。高知中3年時に春夏の全国大会優勝。夏に愛媛・坊っちゃんスタジアムで軟式球ながら150キロを計測。高知高では1年春の四国大会からベンチ入り。3年春に自己最速の154キロを記録。最後の夏は県大会決勝で明徳義塾に敗戦し、高校3年間で甲子園出場はかなわなかった。

 ◆憧れの選手 藤川球児、大谷翔平

 ◆好きな食べ物 お母さんの唐揚げ

 ◆好きな芸能人 「森七菜さんがかわいい」

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