阪神・近本神走塁 九回前進守備の内野ゴロで同点ホーム 新人から4年連続2桁猛打賞も達成

 9回、糸原の遊ゴロで生還する三走・近本(左)。捕手は木下(撮影・山口登)
 9回、糸原の遊ゴロで生還し、両手を広げる
 9回、中前打を放つ近本(撮影・神子素慎一)
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 「阪神1-3中日」(16日、甲子園球場)

 阪神は接戦を落として連勝が「3」ストップ。5位に転落した。1点を追う九回は、近本光司外野手(27)がこの試合3安打目となる中前打を放って二盗も成功。1死三塁からは中日内野陣が前進守備を敷く中、糸原の遊ゴロ間に間一髪で生還する“神走塁”も見せた。だが、延長十一回にアルカンタラが2失点。甲子園での中日戦の連勝も「6」で止まった。

 いちかばちかの状況で、近本が本塁目掛けて快足を飛ばした。間一髪のタイミング。球審・吉本が両手を広げ、セーフのジェスチャーをすると聖地に地響きのような大歓声がこだまする。まさに“神走塁”-。虎党のボルテージを、最高潮に引き上げた。

 場面は1点を追う九回1死三塁、糸原の打席だった。打球は前進守備の遊撃・土田の前に打球が飛んだが、サインはゴロとなった瞬間にスタートを切る“ゴロゴー”。三走・近本は迷わず本塁へ。送球との競争となったが、捕手・木下のタッチをかいくぐるように本塁へ滑り込んだ。

 際どいタイミングで、中日・立浪監督もリクエストを要求した。リプレー検証でも判定は変わらず、甲子園中がお祭り騒ぎ。ベンチに戻っていた近本の表情にも笑顔がにじむ。今季18度目となる完封負けは防いだ。

 バットでは偉大な大打者に並ぶ記録を打ち立てていた。それは、NPBタイ記録となる新人から4年連続2桁猛打賞だ。初回2死は大野雄から146キロ直球を捉えて中前打。1点を追う六回2死も左腕から中前打と快音を響かせた。

 そして、九回無死はのちの“神走塁”につながる中前打を放った。新人から4年連続2桁猛打賞は2リーグ分立後では球団史上初で、他球団では巨人・長嶋茂雄、高橋由伸、長野久義(現広島)と並ぶ快記録だ。

 同点のホームを踏み、ヒットメーカーとして誇れる記録に到達したが、敗戦の影響からか試合後には全く笑顔を見せず。「(神走塁は)サインがギャンブルスタートだったので、その時の僕の仕事をやっただけなので」と淡々と話し、「チームが負けたのが一番大きい」と唇を噛んだ。次戦へ向け、気持ちを切り替えて戦うしかない。

 ◆新人年から4年連続2桁猛打賞 近本は新人年の2019年から4年連続2桁猛打賞(1試合3安打以上)。2リーグ分立後の球団では自身の持つ3年連続記録を更新。2リーグ分立後のNPBでも長嶋茂雄(巨人)が58~61年、高橋由伸(巨人)が98~01年、長野久義(巨人、現広島)が10~13年にいずれも4年連続で到達した最多記録に並ぶ。

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