阪神・湯浅が仁王立ち 魂の17球で主軸3人斬り 大山不在も中野失策も救った

 「広島2-3阪神」(5日、マツダスタジアム)

 チームも仲間も救った。阪神・湯浅京己投手(23)が1点リードの八回に圧巻の投球で勝利へ導いた。無死一塁からバントを好フィールディングで二塁へ送球。タイミングはアウトながら、中野がベースを踏めずに失策となりピンチ拡大。それでも続くクリーンアップを3人で打ち取った。大山らが新型コロナウイルス感染で離脱し、投手陣の踏ん張りが一層期待される状況で、セットアッパーが頼もしい姿を見せた。

 これが虎が誇る若きセットアッパーだ!湯浅は渾身(こんしん)の直球を投げ込んだ勢いのまま、後ろを振り返って雄叫びを上げた。1点リードの八回2死一、二塁。坂倉を空振り三振に斬り、危機を脱した。鬼気迫る表情から一転、満面の笑顔がはじけた。

 自身の名前・京己(あつき)に引っかけて「アツアツな投球ができたと思います」と座布団を1枚あげたい一言で喜びを表現した。

 八回から登板し、先頭・野間に右前打を許した。続く菊池涼の一塁側へのバントは、素早いフィールディングで二塁へストライク送球。だが、遊撃・中野がベースを踏めず、リクエスト判定の結果、セーフとなった。

 矢野監督が「アイツしかあのフィールディングで投げるやつはおらんと思うけど、拓夢(中野)がちょっと早く『投げない』と思っちゃったというのもある」と話すほどの好守だったが、中野に失策が付き、一転してミスでピンチを背負った。

 マウンドでの笑顔が印象的な湯浅の眉間がぎゅっと寄る。続く秋山をフォーク、直球のみで左飛に抑え、1死一、二塁。マクブルームも同じ球種を使い、カウント2-2に持ち込んだ。

 ここまでの17球中、直球とフォークで16球。ここで6度、梅野のサインに首を振った。「誰の頭の中にもなかったと思うので、サインを見る前に『スライダーでいこう』と決めていきました」。選んだ球種はこの日、1球しか投げていなかった球種だった。

 ストライクから外角低めのボールゾーンへ曲がる軌道で空振り三振。「三振を狙っていたので」と胸を張った。続く坂倉も空振り三振。八回無死一、二塁から魂の17球で主軸3人を打ち取った。

 先発した西勇は5回1/3で降板。早めの継投策を採った矢野監督の起用に応え、中野のミスも帳消しにする熱投。さらには、この日大山が新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱し、痛手を負ったチームをも救った。

 リーグ断トツの31ホールド目をマーク。自身のタイトルよりも欲するのは、チームの優勝だ。首位・ヤクルトと9・5ゲーム差で、貯金を今季最多タイの3とした。「現実的に無理ではない。勝てるように準備してチームに貢献できるように頑張ります」。23歳の右腕が、これから起こるドラマの主役となる。

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