阪神・森下V弾 勢い止まらん6戦連続打点 魅せた七回ストライク補殺 「7連勝」虎党に高らか宣言!

 5回、勝ち越しソロを放ち、スタンドを指さす森下(撮影・立川洋一郎)
 5回、レフトへ勝ち越しソロを放つ森下
 7回、宮崎の飛球でオースティンを補殺する森下(撮影・中田匡峻)
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 「阪神7-2DeNA」(10日、甲子園球場)

 頼れる男が難敵を打ち砕いた。逆転アレンパに向けて勝負の甲子園7連戦の初戦。阪神は森下翔太外野手(24)の勝ち越し14号ソロなどでDeNAの先発・東を攻略し、大きな1勝を手にした。首位・巨人との2・5ゲーム差は変わらないが、2位・広島に0・5ゲーム差に接近。この勢いで勝ち進めば、奇跡は起こる。いや、必ず起こしてくれるに違いない。

 夜空に舞い上がった白球にファンは大熱狂。それ以上に、森下が興奮を抑えきれなかった。「入ってくれ、と願っていた」。一塁を回って柵越えを確認すると、右翼スタンドへ拳を突き上げる。マウンド上では東が驚いた表情で天を仰ぐ横で、三塁手前でも右拳を振った。優勝争いを大きく左右する甲子園7連戦初戦。絶好調の3番が今後に弾みをつけた。

 2-2で迎えた五回1死。「レフトへ放り込め、森下!!」と声援が飛ぶ中、気持ちは冷静だった。

 「ほんの少しステップした時の足の着く時間を長くした。感覚なので見た目だと分からないと思うけど、(東に)ずっとやられていたんで。そういう工夫を入れた」

 初回2死で空振り三振に打ち取られた直球、「すごい抜けていた」というチェンジアップなど、左腕の全てに対応しようとした策が奏功。真ん中付近に入ったスライダーを捉えた。「バットに乗った感覚があった」。左翼席へ2試合連続の14号ソロで、6試合連続安打&打点。巨人・岡本和と1差でリーグ2位の67打点となった。

 しかし、5-2となった六回無死満塁は初球を打って三ゴロ併殺。ダメ押しの絶好機を逃した。ただラッキーボーイは守備で流れを引き戻す。

 七回無死二、三塁。宮崎の右翼定位置への飛球を捕球し、本塁へワンバウンドのストライク送球で三走・オースティンの生還を阻止。本塁打の後以上に力強くほえた。

 二塁付近では中野が拍手し、梅野は「あのスローで(勝敗が)決まったぐらい。感動するレベル」と絶賛。岡田監督も「大きかった」とたたえたビッグプレーだった。

 「満塁で凡退して点が取れなかったので。取り返したい思いじゃないですけど、失敗したという現実があったので。なおさらうれしかった」と口元を緩めた。

 チームは首位・巨人と2・5ゲーム差は変わらないが、2位・広島とは0・5差に縮め、4位・DeNAと3差に広げた。だが、浮かれる様子は全く見せなかった。

 「(11日に対戦する)ジャクソン投手も東投手と同様にすごくいい投手なので。今日みたいにうまくいかないと思うので、絶対に。ワンチャンスを逃さないようにチーム全体で勝ちたい」

 9月は打率・364、2本塁打、8打点。「勝つしかない。内容どうこうより、今は結果なので。7連勝したいなと思います」。絶好調の3番が混戦突破へ導く。

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