阪神・秋山 甲子園に笑顔で別れ ファイナルピッチセレモニー「すごく気持ちいい」試合終了後に胴上げ
「阪神0-2DeNA」(30日、甲子園球場)
今季限りで現役を引退する阪神・秋山拓巳投手(33)が胴上げをされ、甲子園に別れを告げた。試合後のマウンド付近に選手が集まると、188センチ、101キロの大きな体が5度宙を舞った。4万2620人が詰めかけたスタンドから「秋山コール」が降り注ぎ、背番号21は深々とお辞儀で応えた。試合前にはファイナルピッチセレモニーが行われ、「楽しくやりきれたので、すごく気持ちがいいです」と白い歯をこぼした。
登板直前には梅野とキャッチボール。捕手は高卒同期入団の原口が務め、打者には同学年のDeNA・筒香を迎えて大観衆の中、渾身(こんしん)の直球を投じた。外角低めを狙った球はまさかのワンバウンド。「あーー」と叫び、セレモニー後には「試合でも投げたことないような球だったんでびっくりしちゃいました」と振り返った。
投球後は岩崎と愛妻から花束が贈られ、甲子園最終戦に集まったファンへあいさつ。「引退発表してから泣いてばかりで、次の涙は日本一まで持って行きたい」と涙の“封印”を誓った。
選手らと握手を交わす際には「ライトスタンドの声援が大きくなってきて、そこは本当にやばかった」とあふれ出る感情をこらえた。最後はファンからの温かい「秋山コール」を浴びながらグラウンドを後にした。「強いタイガースのために、後輩たちのために力になりたい」。阪神一筋だった15年、今後を見据えて一区切りを終えた。