阪神・才木“王将”大谷斬りから8冠狙う「一つ残らず全部」 羽生九段&藤井七冠と対面しタイトル総なめへ刺激
阪神の才木浩人投手(26)が8日、甲子園球場で行われた日本将棋連盟と阪神甲子園球場の「100周年記念対局」を前に、スペシャルトークショーに参加した。羽生善治九段(54)と記念対局をした藤井聡太七冠(22)は23年の10月に史上初の8冠を達成。虎の若きエースも大谷斬りからプロ野球界での8冠獲得を目標に定めた。
一片の曇りもなく、才木は真っすぐな目で言い切った。「獲れるタイトルは一つ残らず、全部獲りたいと思っている」。羽生九段や藤井七冠といった名だたる棋士とも対面。まだ個人タイトルの獲得はない。将棋好きとして、2人のようなタイトル総なめが最大目標となる。
投手4冠(最優秀防御率、最高勝率、最多勝、最多奪三振)に沢村賞、MVP、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞。くしくも、投手の主要タイトルを全て合わせると8冠となる。「それぐらいの圧倒的な結果を出したいと思っている」。21年から23年には同学年の山本由伸(米大リーグ・ドジャース)がオリックスで達成していて、不可能な数字ではない。
そのためには先発ローテの柱として、チームを優勝へ導く必要がある。「特にMVPは優勝チームから選ばれやすい。圧倒した成績を残せれば、勝手に結果としてついてくると思う」。チームの勝利を優先しながらも、球団初の大記録を見据えた。
来季を占う一戦での登板も決まった。7日に藤川新監督が来年3月16日のプレシーズンゲーム・ドジャース戦での先発起用を明言。「僕のモチベーションにもなる。監督にも感謝したい」。世界一打線との真剣勝負が8冠への道のりを加速させるかもしれない。
昨年3月の侍ジャパンとの強化試合では、大谷に左膝をつきながらの特大弾を食らった。世界最高峰のスーパースターを将棋の駒に例え、「王将の王将でしょ!」と表現。そんな世界の王将を詰めることができれば、シーズンでの活躍が約束される。
「大谷さんだけではないですけど、そういう選手と対戦できるのはすごい楽しみ。いい経験になるかなと思いますね」
トークショーでは谷川十七世名人から「初段」の免状を受けた。「いいんすか、あれ言っても。すごいありがたいです」とニヤリ。本職よりも先に、将棋界での称号を得た。次は野球界で。「今年は全部獲れなかったですけど、来年は獲りたいなと思います」。“才木初段”が夢の8冠を獲得し、プロ野球界でも昇段を果たす。