巨人から阪神へ移籍「素材は一級品」畠世周は復活できるか 評論家の視点「広い甲子園で開き直って投げられたら」
日本野球機構(NPB)は9日、出場機会に恵まれない選手を救済する「現役ドラフト」を開催し、移籍が決まった選手を発表した。
阪神は巨人から畠世周投手を獲得した。近大福山から近大を経て、16年ドラフト2位で加入した長身右腕。しなやかな腕の振りから投げ込む150キロ超の速球を武器に、1年目は6勝を挙げた。
その後は成績が伸び悩んだが、21年は中継ぎでも奮闘して52試合に登板し、防御率3・07。だが、安定感を欠き、23年は1軍登板なし。今季もわずか1試合の登板に終わっていたが、ファームでは37登板で防御率1・41の成績を残した。
巨人OBのデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「素材は一級品。ポテンシャルは秘めていて、指にかかった直球は素晴らしいものがある。変化球はカット、スライダーが中心で圧倒的な決め球があるかというと、疑問符がついた」と指摘。「マウンドでメンタルの弱さを感じることもあったが、発想を変えることも大事。ただ強く腕を振ることだけでなく、ひとつのアウトをどう取るかを追求していかないとな。もっと緩急があれば直球が生きるのに、と感じることも多かった」と課題にも触れた。
投手陣の厚い阪神でどう持ち味を発揮していくか。関本氏は「環境が変わってガラッと変わる選手もいる。広い甲子園で開き直って伸び伸びと投げられたら、ひょっとしたらと思う部分もある。リリーフがいいとは思うが、先発、中継ぎでも結果を出したことはあるし、便利屋としてどこでもアピールするんだという気持ちで頑張ってほしいよな」と語った。