阪神・湯浅 難病から復活へピラティス始動「体のつながり」意識 「恩返しできる1年に」

 阪神・湯浅京己投手(25)が5日、大阪市内の施設で自主トレを公開した。2025年の始動は野球選手としては珍しいピラティスによるトレーニングをあえて選択。自身の体をうまく使いこなすことによって、野球の全てにおける進化につなげることが目的だ。「胸椎黄色靱帯骨化症」からの完全復活を期す今年は“恩返し”の1年とする。

 野球にはない“風変わりな”動作が、全て体の繊細な感覚につながっている。復活ロードを歩む1年。湯浅はピラティスによる始動で第一歩を踏み出した。

 昨年8月末に「胸椎黄色靱帯骨化切除術」を受けたが、手術直前の同月上旬にトレーナーの紹介でピラティスの指導を受け、体の使い方を確認してもらっていた。術後との比較をより明確に行うためだった。

 「(体の使い方は)基本。何をするにしても大事で、そこを野球につなげていかないとダメ」。胸郭と骨盤を、腹直筋を使わずに連動させることが“湯浅流”のしなった投球フォームを生み出している。元々苦手だったという「体のつながり」を意識させる動きをより鮮明にし、野球の動作全体のレベルアップを図る。

 胸椎を意識したカエル風のポーズや、正しい呼吸方法を学ぶため風船を膨らましながらピラティスの動きを行うなど約1時間、自身の体と向き合った。現在は2週間に1回ほどのペースで通っており、基本は同じメニューをこなす。体をうまく扱えるようになっていることを実感しながら、新しいメニューにも順次取り組んでいるという。

 手術前に83キロだった体重が一時は79キロまで落ちたが、現在は85キロ。2キロ増だが「動きやすいし、このくらいでいきたいなと」と現在の“ベスト体重”とした。「体をうまく扱うこと」こそが理想の動きに結びついている。

 22年は最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、23年はWBC日本代表として世界一にも貢献。飛躍を遂げたが「別にあの時が一番いいって思っていないし、あれで満足していない。最低限あれぐらいっていうイメージ。超える超えないじゃなくて進化」と目指す境地は全く別次元だと話す。

 「キャンプ中もまだリハビリ組(からスタート)やけど、しっかりアピールしたい。開幕1軍は通過点」。昨季1軍登板はなく、今季に懸ける思いは誰よりも強い。「どんな時でも応援してくれてる人とか、すごくお世話になった方に恩返しできる1年にしたい」。復活を超え、進化した姿での恩返しを誓った。

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