阪神・藤川監督 V奪還オーダー明言「3番・輝&4番・森下&5番・大山」4番に伸び盛り24歳「彼の歩みを止めない」
阪神・藤川球児監督(44)が6日、甲子園球場に隣接する室内練習場で行われた年賀式に出席し、今季3年目を迎える森下翔太外野手(24)を4番で起用すると明言した。現時点での構想ながら、3番は佐藤輝明内野手(25)、5番には大山悠輔内野手(30)を据える方針で、ドラ1クリーンアップの中心に森下を置いてV奪回を目指す。
V奪回オーダーの輪郭がくっきり見えてきた。藤川監督は年末に予告した通り、現時点での打順構想をサービス精神たっぷりに披露した。注目のクリーンアップは「3番・佐藤輝、4番・森下、5番・大山」。虎の4番に伸び盛りの24歳・森下を抜てきする。
「自分のプランとしては、クリーンアップの並びはそこで、大山で待ち構えたいと。(森下は)伸びてきている途中ですから。負荷を与える」
新生・藤川阪神の象徴となる。今季3年目を迎える森下は昨季129試合に出場し、打率・275、16本塁打、73打点。キャリアハイの成績を残すと、プレミア12では侍ジャパンの主軸を担った。全9試合で4番に座り、打率・357、1本塁打、9打点。大舞台でも持ち味の勝負強さを堂々と発揮した。
「がむしゃらさを持ってる選手だと思うし、井端監督から見てもすごく意外性のあるバッターで、すごい働きをすると言っていたので、多方面からそういう話を聞いて、彼の歩みを止めない」
藤川監督が強調したように、森下を4番に据えられるのは5番にどっしり大山がいるから。今オフは国内FA権を行使した末に阪神残留。この日も甲子園での自主トレに訪れ、藤川監督と言葉を交わすなど両者の絆は固い。
森下の前を打つ3番は佐藤輝に任せる。昨秋キャンプの紅白戦では1番、2番、4番を打たせたが、「(3番の方が)佐藤の良さが発揮できるんじゃないかなと信じて、その道を突き進むつもり」ときっぱり。明確な狙いもある。「ゲームのシチュエーション、物事に対して、いろいろ考えながらという部分が磨かれていく」。ケース打撃が求められる打順で成長をさらに後押ししていく。
1番・近本が出塁し、2番・中野がつなぎ、ドラ1クリーンアップで走者をかえす。6番以降は「切磋琢磨(せっさたくま)してもらいたいですね」と思案中だ。例えば実績の乏しい選手でも、キャンプの紅白戦で10打席連続安打を打てば「(使うのは)当たり前じゃないですか」とニヤリ。チャンスは全選手に広がっている。「今は青写真というか、きれいな世界を描いていますが、楽しみですね」。藤川監督は目を輝かせた。希望いっぱいの新年の幕開け。V奪回の夢をかなえる1年が始まる。
◆開幕年少4番 1965年のドラフト制以降、阪神の開幕4番最年少は23歳0カ月の佐藤輝でプロ2年目の22年シーズンで起用された。次いで19年開幕戦で24歳3カ月の大山、03年開幕戦で24歳8カ月の浜中おさむ、80年開幕戦で24歳10カ月の掛布雅之となる。森下が今年開幕4番となれば24歳7カ月で、佐藤輝と大山に次ぐ3番目の若さ。2リーグ制以降なら21歳8カ月の藤本勝巳で59年シーズン。2リーグ制前では42年開幕戦で20歳8カ月の土井垣武が4番に座っている。