【密着25時】阪神・近本 藤川野球体現する 数字にこだわらず「求められることをする」

 「阪神春季キャンプ」(4日、宜野座)

 担当記者が1人の選手の一日を徹底マークする「密着25時」。今回は近本光司外野手(30)が登場する。藤川監督から1番を明言されている中、今季は指揮官から求められる打撃をする考えを明かした。そのために、数字などのこだわりは持たず、打撃の選択肢を広げることを心がける。キャンプ中は出力を調整し、バットの重心を意識した打撃に取り組み中。操作性、再現性を上げ、「藤川野球」を体現する。

  ◇  ◇

 「トイレまでついてくるんですか!?」。密着のお願いに、近本はおちゃめな冗談を交えて快諾してくれた。全体メニューが終わった後には、ドーム内で、手投げの緩いボールをさらに100スイング。今季の打撃スタイルのイメージはすでに持っている。

 「今年はある程度自分が求められることをしっかりしたいなと思っている。監督が求めてることと自分ができることにギャップがあれば、しっかりコミュニケーションとってすり合わせして」

 藤川監督からは1番での起用が明言されている。昨季は長打を増やすことを目標にもしていたが、今年は違う。「ある程度自分の中で選択肢は持っておいた方がいいかなと。長打は長打、単打は単打じゃなくて」。指揮官からどんな要望が来ても応えられるように必要なのは引き出しの多さや柔軟性。「幅広く。別に数字とかにこだわったところでシーズン入ってもあんまり変わらないし」とあくまで“藤川野球”の体現を第一に考える。

 キャンプの打撃で意識しているのは出力調整。「出力を上げすぎると再現性が低くなる」とゆっくり力を入れることでコントロールしている。これは1月、鹿児島・沖永良部島での自主トレでも取り組んできたことだ。「やりたいことがしっかりできた」と自主トレの成果を感じた上で、「沖永良部でできていたことがここ(沖縄)ではできなかったりする」とも明かし、試行錯誤している。

 この日のフリー打撃ではピンク色の細いテーピングを巻いたバットを使用。「バットの重心を可視化したもの」だといい、今オフから使い始めた。バットの重心を意識してスイングする効果について「バットが体から離れすぎず近づきすぎない。操作性が上がる」と説明。選択肢を増やすためにも大切な取り組みだ。

 一日の密着では、意外な一面も垣間見えた。練習中、他の選手やスタッフ、球団OBなど常に誰かと会話。「特に意味もない会話ばっかり」とたわいもない話がほとんど。ただ、「自分の時間も相手の時間もなくなるから、シーズン中はアップでもしゃべらない」とキャンプならではの光景だという。「しゃべりすぎちゃうから、しゃべっちゃうと(笑)」と最後もおちゃめな笑顔で帰路に就いた。(デイリースポーツ・山村菜々子)

 【近本の一日】

 6時20分 起床。サプリをとり、ストレッチ。

 6時50分 朝食(もずく、納豆、卵、れんこんとにんじんの温野菜、肉類や魚類のタンパク質)毎日同じメニュー

 8時24分 早出2便で到着。ウエートルームでストレッチとエクササイズ(9時32分まで)

 9時58分 メイングラウンドでアップ開始。最後列で伊藤将と談笑しながら

 10時27分 ベースランニング。木浪、坂本、熊谷らと会話

 10時42分 木浪とキャッチボール

 10時54分 外野でゴロ捕。寒さにネックウオーマーを鼻まで上げ、忍者スタイル

 11時23分 シートノック。井坪と中堅に

 11時36分 外野ノック。森下、前川と話しながら引き揚げる

 12時00分 ランチ(温かいそばと肉類をのせたカレーライス)

 12時30分 メイングラウンドで素振り

 12時40分 ティー打撃

 13時 フリー打撃(41スイング)。鳥谷氏と会話

 13時30分 室内でマシン打撃

 13時45分 メイングラウンドで守備練習

 14時5分 走塁練習

 14時30分 大山と坂道ダッシュ

 14時50分 個別練習の時間に室内で打撃練習(100スイング)

 15時30分 ウエートトレーニング

 16時20分 バスに乗り込み帰路に

 17時 ホテル着。アニメを見ながら入浴。考え事をする

 18時 夕食。毎日メニューが変わるため食べるものも変わる

 19時30分 アニメを見るか考え事

 22時 就寝

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