阪神・前川 激走ノーノー阻止 九回2死“平沼の1ミリ”呼んだ遊撃内野安打 「送球ちゃんとしないと」守備猛省

 「オープン戦、西武1-0阪神」(11日、ベルーナドーム)

 凡退すればノーヒットノーランを献上とあって異様な空気に包み込まれた。両軍ファンが固唾(かたず)をのんで見守った、勝負の1打席。阪神・前川右京外野手(21)が虎党の大声援に応えてみせた。「1打席目よりはタイミング良く振れた」。初対戦の長身外国人右腕から貴重過ぎる一本を放った。

 0-1の九回2死。それまで打者27人で無安打無得点だった。新外国人のウィンゲンターの直球をはじき返し、強いゴロは二遊間へ。抜けるかと思われたが、遊撃・滝沢の伸ばしたグラブに収まった。全力疾走と素早い送球で一塁は際どいタイミング。ただ、塁審は一塁・平沼の足が離れたとジェスチャーした。

 リクエストも結果は覆らず。“平沼の1ミリ”に助けられ、最後の最後に初めてのHランプがともった。ベルーナドームは2年前のプロ初出場の舞台。当時は2試合で計6打数無安打、3三振と屈辱を味わった。あの日とは違う。

 「ボールの見え方とかは、2年ぶりだったのでだいぶ成長してきていると思う。安打が出たことというよりは、ちゃんと振れてきている。そういうところはいいかなと思います」

 しかし、試合後の前川は打撃よりも守備の猛省を忘れなかった。七回2死一、二塁で長谷川の左前打に猛チャージも本塁でアウトにできず。「そっち(安打)より、1点を取られた方の送球をちゃんとしないといけない」。今年は守備の精度向上も掲げるだけに、悔しさをにじませた。「しっかりラインに入れて、強い送球を投げられるようにしないといけない」。より高みを目指しているからこそ、チーム唯一の安打に浮かれることはない。

 ◆ノーヒットノーランされていたら… 阪神が9回ノーヒットノーランの達成を許していたら、2リーグ制以降、オープン戦では球団初の屈辱となっていた。降雨コールド試合では1992年3月27日・近鉄戦(西京極)で5回降雨コールドの末に達成された例がある。また、他球団を含めたオープン戦での直近のノーヒットノーランは、ヤクルトが22年2月26日・楽天戦(浦添)で継投による投手リレーで達成。

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