日本で開幕シリーズを戦うドジャースが１３日、日本に到着した。この日に誕生日を迎えた阪神・佐藤輝明内野手（２６）は神宮外苑での全体練習に参加し、カブス、ドジャースとのプレシーズンゲーム（１５、１６日・東京ド）を心待ちにした。普段からドジャース・大谷の打撃フォームを参考にしており、練習からチェックする構え。藤川球児監督（４４）は「まずは楽しんでもらえるような試合を」とバント封印で指揮を執ることを明かすなど、実り多き２試合とする。

　夢のようなひとときがいよいよ幕を開ける。１５日はカブス、１６日はドジャースとのプレシーズンゲーム。憧れのメジャーリーガーとの対戦に、佐藤輝は目を輝かせた。

　「普段できないような対戦なので、楽しんで頑張りたい。やることはあまり変わらずに、自分のバッティングができたらなと思います」

　大谷、ベッツ、フリーマン…。ＭＶＰトリオだけでなく、ワールドシリーズ王者のドジャースはスーパースターぞろいだ。佐藤輝は「いろんな選手が見れたらいいですね」と一挙手一投足に注目する。中でも「いろいろ練習から見たりできればいい」と語る大谷は特別な存在だ。

　今年のデイリースポーツ正月対談では阪神ＯＢの糸井嘉男氏（デイリースポーツ評論家）と“大谷談議”で盛り上がった。普段から「いろんな選手を見てます。もちろん大谷選手も」と明かし、大谷の打撃フォームについて「毎年ちょっとずつ変わってるんで。どういう意識というか、何を求めてこういうのにしてるんだろう」とイメージを膨らませる場面もあった。

　今回はベンチから大谷のプレーを見られる。今春のオープン戦は打率・３３３、１本塁打、３打点。最近３試合は快音から遠ざかるが、シーズン開幕を２週間後に控える中で、新たなヒントも得られそうだ。

　かつてメジャーでプレーした藤川監督もプレシーズンゲームを心待ちにしている。「内容は問わないところなので、楽しみにやらせてもらおうかなと思います」。バント封印も明言。「まずは楽しんでもらえるような試合を」とナインの背中を押し、「お互いが尊敬し合ってプレーを純粋に楽しみながら。ゲームが始まれば勝ちを目指して頑張っていきますけど、一番は選手のコンディションのこともあるし、有意義な２日間にしたい」と位置づけた。

　指揮官の言葉に呼応するように、佐藤輝は「楽しんで頑張りたい」と繰り返した。この日は２６歳の誕生日。春の陽気の中、ハツラツと白球を追いかけた。「毎年変わらないですけど、いい年にしたいなって思いですね。今年も頑張ろうと思います」。覚醒の１年へ決意も新た。東京ドームで大暴れし、「３・２８」へ弾みをつける。

　◆阪神vsＭＬＢ球団　古くは１９５３年１１月の日米野球でジャイアンツと対戦。開幕前のオープン戦時期の対戦としては０４年３月２８日にデビルレイズ、翌２９日にヤンキースと対戦した。０８年３月２２日・レッドソックス戦では現監督の藤川球児が九回に登板して１回無安打無失点で２奪三振。レ軍主力のユーキリスに対して１０球連続直球を投げ込むなど真っ向勝負を挑んだ。なお、翌２３日のアスレチックス戦でも登板して１回１安打無失点で３つのアウトを全て三振で奪った。