【藤田平氏の眼】阪神・前川右京は「復調に時間がかかる可能性も」 中野は「この感覚を忘れずに」

 8回、空振り三振に倒れる前川(撮影・北村雅宏)
 5回、右前打を放つ中野(撮影・立川洋一郎)
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 「オープン戦、オリックス1-1阪神」(21日、京セラドーム大阪)

 阪神・中野拓夢内野手(28)が3安打の固め打ちでオープン戦首位打者に躍り出た。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(77)も「うまく上からたたけている」と高評価。一方で前川右京外野手(21)については「復調に時間がかかる可能性も」と指摘した。

  ◇  ◇

 阪神打線の中では3安打の中野が光った。七回1死一、三塁では内角高めの直球をうまく右前に運んで同点適時打とした。昨年は打撃で苦しんだが、今年はダウンスイングに変えて、ボールをうまく上からたたけている。この感覚を忘れずにシーズンに入ってほしい。

 気になったのは二回1死一塁での守備。オリックスがエンドランを仕掛け、宗が遊ゴロを打ったが、一走を二塁で封殺できず併殺崩れとなった。中野の守備位置が深すぎて、二塁ベースカバーが遅れたためだ。走者がいる場面では、ベースとの距離も考えなければいけない。『凡事徹底』を掲げるチームだけに、突き詰める必要がある。

 昨年から打撃フォームを変えた前川だが、投手とのタイミングが全く合っていなかった。背筋が伸びて、バットを高い位置で構えるようになり、重心も高くなっている。バットを高い位置で構えると、どうしてもボールとの距離が遠くなるので、この日も遅れてバットが出る場面が見られた。

 フォームを変える怖さだが、好調が長続きしない時に迷いが生じ、深みにはまっていくことがある。まだ若く経験が少ないだけに、復調に時間がかかる可能性もある。

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