阪神・近本 肌で感じた「野球ってシンプル」得るもの大きかったMLBとのプレシーズンゲーム
阪神の近本光司外野手(30)がデイリースポーツ読者に向けて、特定の打席や試合で何を感じていたか、何を考えていたかを明かす新企画「余韻」。今回は「メジャー戦の余韻」を振り返る。メジャー戦での発見、大谷との帽子交換についても語った。
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ドジャース、カブスとのプレシーズンゲームは得るものが大きかったですね。自分が打つ、打たないは別にして、どんな球を投げるのか、どんな打球を打つのか。自分の目で見ておきたかった。極端に言えば、これからの人生がすごく変わってくるのかなと思う。すごくいい2日間でした。
肌で感じたのは「野球ってシンプル」ということでした。当然、違いを言えば根本的に大きく違いました。投手ならストレートの球速も違うし、変化量も違うし、回転成分も違う。球質だけを見たら全然違うのですが、ストライクゾーンは大して変わらない。ボールは当たらないですから。
16日のドジャース戦はスネル、グラスノーとメジャーでも、トップクラス2人の投手が投げました。例えば、グラスノーが投げた140キロ台のカーブは衝撃でしたが、皆がなぜその球を振ってしまうのかを考えないといけない。「カーブがすごく曲がるから」「グラスノーがいいから」ではなく、なぜスイングしてしまうメンタルになるか。
1つの答えは160キロを超える直球があるからです。では、その直球に対してどんなアプローチをするか。目付けが前になってしまうと振っちゃうなという感じで考えました。それはテレビ越しでは分かりませんし、打席に立たないと見えないことです。実際、日本の投手に当てはめた時、それに近い投手や自分が苦手としている投手に対して、アプローチの仕方を考えることができます。
なぜ、そのチェンジアップを振ってしまうのか、なぜ、フォークを振ってしまうのかというのは、よりシンプルに考えられるのかなと思います。いろんなことを考え過ぎてしまったら、結局、手が出ないですし、頭を使いすぎて反応が悪くなる。結局、投手はストライクゾーンに投げてくるしかない。ボールはボール。そのボールをどれだけ我慢して、ストライクを投げないといけないと思わせられるかだと感じました。
初球から振りにいった打席もありますが、極論で言えば三振でもよかったんです。空振り1つでも勉強になりました。この前の2試合で言うと、ある程度、直球勝負になるのは分かりました。ただ、初球からストレートを打つのと、2ストライクになってから「ここはもうストレートでしょう」と思って打つのとでは、目付けのタイミングが全然違ってきます。
そこで自分の体がどんな反応をするのか。タイミングだけを合わせた時、ストレートだけ来るだろうという時に、高めの球にうまくかぶせられなかった自分がいました。それをうまくかぶせるためにはどうしたらいいか、そもそもかぶせられなかったのは仕方ないと思うのか。自分の立ち位置、能力と、世界トップレベルはどれだけ違うかを知りたかった。実際に打席に立つと、やはり160キロは日本でもアメリカでも160キロなんだな、と。
打てるゾーンは絶対にあると思いましたし、ボール球は絶対に当たらないと再確認できた。すごくいい2試合だったので、先の可能性を信じていきたいと思います。試合前、大谷選手と帽子を交換しました。よく「あの帽子、どうしたの?」と聞かれますが個人的なものなので、どうしたかはまだ言わないです。ただ、三代末まで生きてくるので(笑)。収穫が多く、本当に楽しい部分が多かったです。
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