阪神・和田ヘッドコーチ「びっくり」藤川監督直電オファー 就任快諾「迷った時、肩を押してあげられるように」
阪神は6日、元監督で今季は1・2軍打撃巡回コーディネーターを務めた和田豊氏(63)のヘッドコーチ就任を発表した。西宮市内の球団事務所で行われた会見で、2日前に藤川球児監督(45)から就任依頼があったことを明かし、「束になって戦う」と決意表明した。秋季キャンプ地の安芸で対応した藤川監督は、2リーグ分立後球団史上初となるリーグ連覇のために、和田氏の「タイガースにかける情熱」が不可欠と熱い期待を寄せた。
球団旗を背にキリリと表情を引き締め、会見の席に着いた。急転直下のヘッドコーチ就任。虎一筋41年。猛虎を知り尽くす和田氏でも今回ばかりは驚きを隠せなかった。
「この秋季キャンプも残留してSGLスタジアムで練習を見ていましたので。ホント、正直なところ驚いています。もうそれが率直な感情です」
2日前、安芸キャンプに合流した藤川監督から電話があった。「連覇に力を貸してください」。予想もしないオファーに「他の言葉がいらないぐらいびっくりしました」。ただただ仰天しつつ、「監督というのは決断の連続。迷うこともあると思う。その時に肩を押してあげられるように。束になって戦う」。最後は和田氏らしく快諾した。
チーム屈指の指導経験を誇る。2001年に現役を引退してから打撃コーチなどを歴任。12年から15年までは1軍監督を務め、14年はシーズン2位から日本シリーズ進出を果たした。その後もオーナー付シニアアドバイザーなどに就き、今季は1・2軍打撃巡回コーディネーターとして2年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
「すべて自分がお願いした形になりました」
藤川監督が安芸で舞台裏を明かす。球団初のリーグ連覇を成し遂げるために何が必要か。熟考した末に導き出した答えが、「この1年間、選手を見ながら、首脳陣の方も見ながら支えてくれた」和田氏のヘッドコーチ就任だった。
現状維持では連覇は果たせない。今キャンプのテーマに中継ぎ右腕の台頭と若手野手の育成をテーマに掲げる中、「タイガースにかける情熱。それを強く持っていらっしゃる」と猛虎愛にあふれ、経験豊富な和田氏は参謀役としてうってつけの存在だ。平田2軍監督、藤本総合コーチに加えて3人のチーフコーチの名前も挙げ、「オールタイガースでね。(2リーグ分立後)一度もできなかった連覇でしょう。これを突き破るには全勢力をかけて勝ちに行く」と言葉に力を込めた。
「連覇が最重要課題。そのために一歩一歩進まなければいけない」。指揮官は「連覇」というワードを6度、連呼した。和田ヘッドは近日中に安芸キャンプに合流予定。強力タッグで難題に挑む。
◆和田 豊(わだ・ゆたか)1962年9月2日生まれ、千葉県出身。63歳。現役時代は174センチ、72キロ。右投げ右打ち。我孫子-日大を経て、84年度ドラフト3位で阪神入り。好打の内野手としてチームを引き締め、93年にセ最多の161安打。阪神一筋でプレーし、01年引退。通算1713試合(球団6位)、1739安打(同4位)、29本塁打、403打点、打率.291。阪神コーチなどを経て、12年から4年間監督を務めた。
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