阪神育成・嶋村 甲子園初アーチ 支配下へ猛アピ「誠志郎さんが帰ってきても『使いたい』と思ってもらえるように」
「オープン戦、阪神2-3巨人」(8日、甲子園球場)
スタメンマスクをかぶった阪神・育成の嶋村麟士朗捕手(22)が八回1死からライトスタンドへ強烈なソロをたたき込んだ。伝統の一戦で放った人生初となる甲子園1号。6日のソフトバンク戦(甲子園)でも3安打を放っており、育成選手ながらオープン戦の打率は驚異の・545。目標とする支配下登録に向けてこれ以上ないアピールに成功した。
希望を乗せた白球が虎党の待つ右翼スタンドへ突き刺さると、甲子園は興奮のるつぼと化した。この日、聖地を最も沸かせたのは間違いなく嶋村のバットだった。
2点を追った八回1死。相手はルーキー右腕の田和。「正直言うと三振OKくらいの気持ち。もう当てに行かずにマン振りで振りに行った結果」とフルカウントから138キロのカットボールを捉えた。打球速度は172キロ。一直線に右翼スタンドギリギリへ着弾した。伝統の一戦で飛び出した人生初の甲子園でのアーチ。1点差に詰め寄る渾身(こんしん)の一発を放り込んだ。
独立リーグの高知ファイティングドッグスから入団し、育成2年目。昨季はウエスタンで58試合に出場し、1本塁打ながら打率は・266の数字を残した。左打ちの捕手として豪快な打撃が特徴。秋季キャンプでは藤川監督から「出てくる可能性は高い。非常に期待しています。支配下選手と比べても上回るものを持っています」と高い評価を受けていた。
嶋村が野球に出合ったのは小学4年の時だった。「友達に誘われて」野球の世界に飛び込んだ。周囲よりも野球を始めるのは遅かったが、持ち前の身体能力ですぐに追いついた。
当時の憧れは捕手として通算406本塁打を記録した巨人・阿部慎之助。他の子どもたちが投手や遊撃と花形の守備位置を目指す中で、あえて捕手を選んだ。「かっこいいなと思って。捕手をやりたかった」と野球に没頭した少年時代を述懐した。時は流れ、現在は巨人の監督を務める憧れの存在の前で、強烈な一撃をお見舞いした形だ。
守備ではドラフト同期の伊原、木下、早川を好リード。強力な巨人打線を3点に抑えたが、三回に犯したパスボールなど守備の課題を挙げ、「チャンスの場面にどういうバッティングをしてくるかとか、作戦をどう立ててくるか把握をしきれていなかった。今後に生きる課題が見つかった」と反省の言葉を並べた。「(坂本)誠志郎さんが帰ってきても、『嶋村を使いたい』と思ってもらえるように」。嶋村の物語はまだ始まったばかりだ。支配下登録に向け、懸命なアピールを続けていく。
【アラカルト】
▼嶋村麟士朗(しまむら・りんしろう)
◆生まれ 2003年7月13日。高知県高知市出身
◆家族構成 両親、妹
◆サイズ 177センチ、90キロ
◆投打 小4から潮江東スポーツ少年団で野球を始め、高知商から福井工大へ進学も、中退して22年8月に四国ILp・高知に入団。24年のドラフトで阪神から育成2位指名を受ける。
◆遠投 110メートル
◆好きな食べ物 寿司、丼もの
◆好きな芸能人 千鳥
◆ペット 甲斐犬(名前はコロン)
◆趣味 温泉、サウナ、筋トレ
◆好きな曲 ヒップホップクルー・ICE BAHNの「LEGACY」。昨年の登場曲で試合前にも必ず聞く
◆MVP 春季キャンプで藤川監督からMVPに選出された
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