阪神・中野 雨開始遅れ雨中断も「集中力を切らさない」 九回2死から同点2点打「チームを勢いづけられる良い勝ち」
「広島5-7阪神」(4日、マツダスタジアム)
雨にぬれたマツダスタジアムに歓声と悲鳴が交錯する。牧田球審の両手が広がると、阪神・中野拓夢内野手は塁上で右手人さし指を突き上げた。崖っぷちから放った劇的な同点打。そのバットで、チームを景気づける1勝へとつなげた。
「チームとして『なんとかしてやろう』っていう気持ちが伝わった状態で自分に回ってきたんで、自分も『なんとかしたいな』っていう思いで行けました。どんな形でも良いから、森下につなごうっていう意識でした」
言葉の通りに執念を見せた。3点を追う九回に1点を返し、なおも2死二、三塁の場面だ。カウント2-2と追い込まれたが、森浦が投じた6球目・チェンジアップに食らいつき、ファウルチップを石原が捕球できず。土俵際で踏みとどまると、さらに2球ファウルで粘り、9球目の外角低めチェンジアップをバットの先ではじき返した。
打球は左翼手の手前で弾み、三走・岡城に続いて、二走・福島がヘッドスライディングで間一髪の生還。土壇場で試合を振り出しに戻し「すごい良い集中力を持ちながら打てた」と汗を拭った。
欠かさなかった準備が、値千金の一打として結実した。試合開始が1時間遅れ、五回裏には61分の中断。それでも気持ちは切らさなかった。「ずっと『試合あるだろうな』っていうふうに思いながら。中断の間もバットを振ったりとか、集中力を切らさないようにっていうのは心がけてやってました」。三回の守備では、二塁ベース手前への弱いゴロをさばき、ランニングスローで一塁アウトに。水を含んだ芝の上でも堅守は健在だった。
「今日の勝ちっていうのは、すごくチームを勢いづけられる良い勝ちだったと思う。この良い流れっていうのを、明日からも継続していけるように、隙のないようにやっていきたいなと思います」。再びの頂点を目指して突き進む26年シーズン。苦しみながらもつかんだ白星が、チームの推進力へと変わる。
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