澄んだ青空を見上げた阪神・梅野「人に優しくしていたい」 亡き母の夢をかなえて13年目、変わらない思い
「阪神3-0DeNA」(10日、甲子園球場)
阪神が接戦を制して連敗を2で止めた。先発の才木浩人投手が7回3安打10奪三振無失点の力投で4勝目を挙げた。打線は女房役の梅野隆太郎捕手が五回無死一塁で今季初安打となる内野安打でチャンスを拡大すると1死一、三塁から才木のセーフティースクイズで先制。六回には佐藤輝が左中間席へリーグトップとなる10号ソロを放った。七回には代打・嶋村がプロ初打点となる中前適時打を放ち、チーム51イニングぶりのタイムリーとなった。
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強烈な浜風に乗せられた打球は、相手守備をすり抜けるように落ちた。母の日に記録した初安打は偶然か、必然か。梅野は一塁ベース上から澄んだ青空を見上げた。最愛の母・啓子さんを卵巣がんで亡くしたのは、まだ小学4年生の頃だった。
どんなに練習で遅くなっても、試合で疲れても病床の母を見舞った。母は野球に熱中する息子が誇らしかった。「隆太郎をプロ野球選手にしてください。もう私はダメだから」。息を引き取る間際まで父・義隆さんに願いを伝えていた。母の夢は家族の夢にもなった。
遺言を受けた父と二人三脚…いや、亡き母と“三人四脚”で歩んだ野球人生。栄光を知り、挫折も味わった。夢をかなえてから13年目。変化していく日々の中、変わらない思いがある。練習前後や移動中、常にファンを大切にする姿があった。
時間の許す限りペンを走らせ、記念写真の撮影にも応じる。4月、2軍暮らしが続いても声援を送るファンに感謝を伝えていた。「人に優しくしていたい。それは僕が母を亡くしているからかもしれないですね」。母の憧れたプロ野球選手であり続けたい-まだまだ戦う理由がある。(デイリースポーツ・田中政行)
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