【藤田平氏の眼】基本に立ち返れ阪神 今は球児政権で初めての「大きな谷間」 復調の鍵は七回の佐藤輝 ボール球見極め打てる球きっちり打つ
「阪神0-6中日」(14日、甲子園球場)
阪神が今季ワースト6連敗。3試合連続の完封負けで56イニング連続適時打なし。先発の伊藤将司は初回と五回に2ランを2度許し5回4安打4失点で3敗目。デイリースポーツ評論家の藤田平氏が、深刻な貧打打破へ、阪神に提言した。
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連覇を狙う藤川阪神が苦しんでいる。特に打線は56イニング連続で走者を置いて適時打なしと沈黙している。打者には必ず「波」というものがある。今季は佐藤輝と森下という阪神打線を象徴する2人がそろって好調のまま勝ち続けてきたが、今は2人が同時に不調にあえいでいる。
先発した中日のマラーに対して、試合前時点で佐藤輝は打率・389、3本塁打、森下も同・389、2本塁打と好相性を誇っていたが、この日はそろって無安打に終わったことが、2人の状態の悪さを物語っていた。
バッティングは90%がタイミングなのだが、そのタイミングが全く合っていなかった。阪神打線全体に言えることで、その結果が18個の内野ゴロだった。打てない焦りからか、序盤は特に早打ちが目立った。初回は1死一塁から森下が初球を打って遊ゴロ併殺打。二回は佐藤輝が3球三振、大山も3球目を遊ゴロ、最後は立石は初球を打って遊ゴロと7球で攻撃を終えてしまい、マラーを調子に乗せてしまった。
早い仕掛けが悪いわけではないが、この日は早めに打っていたのではなく、ボール球を打たされていた。特に立石は五、七回の打席でも2球目に手を出して内野ゴロに倒れた。中日バッテリーは引っ張ってくるのが分かっているから、内野ゴロを打たせようとインサイドにボール気味のカットボールを投げ、その術中にはまってしまった。
ここから浮上するのは簡単ではないかもしれない。昨季は独走優勝だったため、シーズン終盤に優勝に向けて競り合うような経験ができなかった。今は藤川監督の就任2年目で初めてと言ってもいいような大きな谷間に沈んでいる。ここで踏みとどまれるのか、さらに深い谷底に沈んでいくのかはチーム次第だ。
打線復調の鍵となるのは七回の攻撃だろう。1死から佐藤輝が6球粘って四球を選び、続く大山が甘く入った変化球を左翼線への二塁打とし、二、三塁と好機を広げた。立石と坂本が倒れて得点には至らなかったが、ボール球を見極める、打てる球をきっちり打つといった基本的で丁寧な攻撃に立ち返る必要がある。この厳しい試練を乗り越えた先に連覇があると信じたい。
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