阪神・高寺 V弾!延長十一回大乱戦にケリ「ここまで来たら楽しむしかないでしょ」巨人敗れて1・5差 マジック「8」
「ヤクルト7-9阪神」(22日、神宮球場)
神宮の夜空に、値千金のアーチを描いた。同点の延長十一回、無死一塁から阪神・高寺望夢内野手(23)が右翼へ決勝の3号2ラン。最大4点のリードを追い付かれるも、2試合連続の延長戦を制して3連勝。2位の巨人が敗れたため、優勝へのマジックナンバーは二つ減って「8」となった。最短優勝は変わらず9月29日。勢いに乗って、一気に突き進む。
最後まで、どちらに転ぶかわからなかった。中盤までは乱打戦。終盤はお互いにチャンスをつくりながら、あと一本が出なかった。両軍合わせて計5発の花火大会。フィナーレを飾ったのは高寺だった。「ちょっと打てなさすぎたんで、もうここで打てなきゃやばいなと思って」。地獄から天国へはい上がった男。スタンドからの感謝の声に満面の笑みを浮かべた。
同点の延長十一回無死一塁。代走に植田が送られ、複数の作戦が考えられる場面だった。1球目が投じられる前にはバントの構えで揺さぶる。勝負は3球目。清水の直球を迷いなく振り抜いた。「1球で仕留められたんで良かったです」。5月12日のヤクルト戦(神宮)以来、133日ぶりの3号2ラン。4時間30分の激闘でヒーローになった。
その前の5打席は犠打失敗も含めて、全打席で結果を残せず。「気分転換ですね」と赤のグリップが巻かれた、森下のバットで打席に向かった。昨年は24年まで在籍したミエセスのバットを使用、今季途中も大山のバットで練習することがあった。独特な感性を持つのか、見事な対応力で最高の結果を生み出した。
試合前まで7打席連続無安打。「打率が…」と下がり続ける数字に悔しさをにじませていた。この日も紙一重の打球を放ちながら、Hランプがともらない。「もう心が折れそうになった」と苦笑いした。それでも、自身を奮い立たせたのはシンプルな感情。激しい優勝争いで誓ったことは一つだった。
「もうここまで来たら楽しむしかないでしょ。楽しむ。以上!」
ベンチ前では先輩たちに祝福され、うれしそうに「よっしゃ」と絶叫した。1軍で戦える、試合に出られる、そんな喜びを力に変えている。「成長はしてないですけど。もっと打てるように頑張ります」。そう言うが、藤川監督は「よく頑張ってやってくれましたね」と褒めた。
チームは3連勝。2位の巨人も敗れ、優勝へのマジックは「8」とついに1桁となった。ゲーム差も1・5に拡大。最短優勝は29日だ。立役者は「一戦一戦、明日からも頑張りたいと思います」と誓った。勢いがつく伏兵の大活躍。藤川チルドレンが連覇という目標へ、グッと近づけた。
野球スコア速報
