阪神・藤川監督 あと1球から悪夢 4連敗で終戦「この経験を球団の財産に」3連覇へリスタート

 「JERA CSセ・ファイナルS・第4戦、阪神5-8DeNA」(17日、甲子園球場)

 試合終了を見届けた阪神・藤川球児監督は、右翼スタンドに向け足を進めた。「応援していただいた皆さんに申し訳ない。その一言です」。日本一奪還を目指した戦いは4連敗で幕を閉じた。シーソーゲームのラストに待っていた悪夢。涙の工藤に、手負いで戦った佐藤輝、森下。「選手はよくやった」と責任を一身に背負った。

 「あと1球」コールからの悲劇だった。1点リードの九回。八回途中からイニングをまたいだ工藤が、1死後、途中出場の松尾に四球を与える。続く度会の一、二塁間を襲った打球に、二塁・中野が横っ跳びで捕球を試みた。だが、あと一歩及ばず、ボールが一塁ファウルゾーンを転々とする間に三塁まで進まれた。

 それでも続く牧を一ゴロに抑え2死二、三塁。続く三森も2球で追い込んだ。あと1球-だったが、続く3球目。高めの直球をはじき返されると、フラフラッと上がった打球が中前に落ちた。二走・牧も生還。一気に逆転を許すと、代わったドリスも流れを止められず、申告敬遠を挟む3連打で計4失点と万事休すだ。

 「神宮や木下、工藤も時にはイニングをまたいで勝ち星を拾っていくというやり方をしていたので、形が最後まで苦しかったというのは事実ではあります。何とかその形を取り直せるようにしなければいけなかった」

 リーグ連覇の偉業が褪(あ)せることはない。ただ、チームとしての課題を浮き彫りにした4試合でもあった。就任時から課題にしてきた右のリリーフとして、工藤、木下、神宮らが台頭。後半戦の推進力にもなったが、短期決戦ではリードを守ることができなかった。野手も佐藤輝、森下のコンディション不良で得点力が激減。2人に続く選手の台頭が待たれる。

 以前から、粟井球団社長が「大きな課題、反省点。少し余裕を持った選手編成をしないと、強いチームであり続けるのは難しい」と話していたように、22日のドラフトからFA、助っ人、トレードなど多角度的に補強に動く。「この経験を球団の財産にしなければならない」とは藤川監督。収穫と課題…4連敗の屈辱を胸に刻み、リーグ3連覇に向けリスタートする。

 ◆4球団目の屈辱 レギュラーシーズンで優勝したチームがCSファイナルステージで、アドバンテージ1勝を除き全敗で敗退したのは、07年巨人(対中日●●●=アドバンテージなし)14年巨人(対阪神●●●●)19年西武(対ソフトバンク●●●●)に続き、のべ4球団目となった。

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