【虎番が書く阪神連覇秘話】平田新ヘッド「俺、幸せやねん」 重かった“虎の生き字引”の言葉 「幸せ」にも限界はありませんよ

 デイリースポーツ虎番記者が、球団初のセ・リーグ連覇を果たした藤川阪神2年目の秘話をリレー形式で明かす。

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 虎番記者がリレー形式でつないできたこの連載も今回が最終回。それなのに、いきなり言い訳で恐縮だが、ファーム担当なので1軍の秘話など全くない。必然的にファーム関連の話になる。

 9月中旬、優勝用として平田2軍監督に取材をお願いした。テーマは「“虎の生き字引”が語る悲願のリーグ連覇」。「実はこういう記事を考えてまして…」と打診すると、しばしの沈黙の末、平田監督は口を開いた。何度も連覇に挑み阻まれた男の言葉は重かった。

 「まぁ…(藤川)監督が一番大変だよな。23年も9月14日に早々と(優勝を決めた)。天王山っていう試合もなく優勝できたし、去年は9月7日か…大一番もなく優勝しちゃったからね。やっぱり思い通りにはいかないしな、今年は特に石井がケガしたり、近本の死球もあったから。思い通りにいかないよな」

 この日はこれで終わり。ここから連日、とにかく移動という移動にへばりつき、ちびちびと取材を重ねた。うっとうしいことこの上なかったと思うが、ある日「この前の話の続きしようや!」と、心変わりしたのか、観念したのかは定かじゃないが、SGLで連覇への思いをがっつり聞かせてもらった。

 これは優勝紙面にも書かせてもらったのだが、85年の日本一から全ての優勝に関わってきたタテジマ人生を「俺、幸せやねん」と屈託のない表情で言い切った。世は自虐、冷笑、卑下、嘲笑がはびこる大SNS時代。そんな令和8年に、一切の照れなく己の人生を「幸せ」という姿は、さすがにまぶしすぎた。

 3連覇に向けて今秋、肩書が2軍監督から1軍ヘッドコーチに変わった。藤川監督を直々に支える役職。甲子園での秋季練習にヘッドコーチとして合流した28日、ナインに向けて「自分で限界をつくらない」と熱く説く姿があった。

 自身4度目となる虎の参謀役は人生の最新章にして、過去最大スケール・最高傑作。今回でこの連載は終わりだけれど、来年の今頃は連載「3連覇秘話」が始まっている。だって「幸せ」とやらにもきっと、限界はないのだから。(デイリースポーツ・藤丸紘生)

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