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MLBロックアウトの今、日本野球の魅力を発信してほしい

 NPBはオープン戦が始まり、開幕まであと少し。「今年の阪神は本当に期待できるのか」とワクワク感が沸騰しています。一方でMLBは労使交渉が決裂してロックアウト継続中。開幕延期と最初の2カード(6試合前後)の中止が発表されました。特に金銭面でオーナー側と選手会の折り合いがつかない模様で、全米の野球ファンは両者に対してうんざりしている。SNS上でも罵声が多く飛び交っていて「野球ファンを諦める」とつぶやく人も少なくない。ただ、個人的にはこの状況が「日本プロ野球にとっての大きなチャンス」ではないかと感じています。

 昨夏の東京五輪で侍ジャパンが見事に金メダルを獲得し、海外でも注目されたはず。それに昨年度のア・リーグMVPを満票一致で受賞したのは大谷翔平だった。その上、MLBがゴタゴタしている今は「日本野球の力」を海外に向けて発信するチャンスじゃないでしょうか。だけど大きなネックもある。海外の野球ファンにとって、日本プロ野球を視聴するためのハードルが高すぎるということだ。

 DAZNではNPB11球団の試合が提供されていますが、視聴可能なのは日本国内だけ。海外から加入しても日本のプロ野球は見られません。パ・リーグTVは海外でもアクセスできるけれど、もちろんセ・リーグの試合はチェックできない。僕の大好きな阪神タイガースなら「虎テレ」という素晴らしいサービスがあるけど、配信は本拠地開催試合と東京ドームでの巨人戦のみ。アメリカみたいにMLB-TV(他競技で言うとNFLゲームパス、NHLライブ、NBA-TVもある)という全球団の全試合を視聴可能なサービスがないのは致命的だ。海外はファンは自分の好きなチームの試合をとことん見たい。それができなければ違う娯楽に目が行ってしまうのです。

 この“問題”を改善するのは容易ではないかもしれません。外国人の僕は、日本の社会を深く理解できていませんから、思ったことを率直に書かせてもらいました。けれど、MLBとNPBの両方を見てきた経験から言えるのは「日本プロ野球の魅力を発信する条件」が全部揃っているということです。

 MLBの開幕延期が決まった中で、それに次ぐハイレベルなリーグはNPBに他ならない。長い冬がようやく明けた今、全米のベースボールファンは確実に飢えている状態です。とにかく「野球が見たい」というファンは少なくない。それなのに、このチャンスをモノにする準備ができてない。阪神、そして日本プロ野球に魅せられた僕には、それが残念でなりません。

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。

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