糸原の「しぶとさよ」

 【9月6日】

 総裁選もコロナワクチンもそうだけど、その行方が気になるといえば虎の進撃である。日曜は勝てなかった?えっと、まずファームのハナシを…。平田勝男率いる阪神2軍の大型連勝が止まらない。

 いざグラウンドに立てば、プロは100%じゃなきゃウソだ。阪神に限らず、ファームだからといって、もし強度7割で立っている選手がいるとすれば、あっという間に淘汰されるのがこの世界。平田は若虎に「2軍での記念球なんて欲しがるもんじゃない。上でやってナンボ」と常々語っているけれど、全力の勝負事でこれだけ勝ち続ければ価値があるし、勝ちながら育てられれば言うことないわけで、ウエスタン、イースタン両リーグ通じてのファーム新記録…「16」はとても尊い数字である。

 「いつも、風の記事、勉強させてもらってるぞ!」

 平田と話せば、そんなふうに返してくださる。鳴尾浜でデイリースポーツの2面を読んで「おい!なんや、きょうの風の記事は!」と眉間にシワを寄せる日もホントはあるんじゃないか…なんて想像しながら、ありがとうございますと、この場で改めてお礼を。

 平田監督、遠藤成はどうですか?適性のポジションはどこですか?できれば、遊撃手で育てていただければ…なんて余計な口出しが許されないコロナ禍だけど、陰ながら応援しています、本当に。

 その遠藤を含めた二遊間の競争が近い将来楽しみな阪神に於いてそういえば、日曜の夜、金本知憲と二遊間のハナシになった。

 今の阪神は優勝を狙える戦力が整う-その中で仮に金本が現場を任される立場なら、二塁は誰を使いたくなるか?そう聞いてみた。

 「今は糸原だろうな」

 矢野燿大と選択は同じだ。

 では、金本が監督時代に糸原健斗を使い続けてきた一番の理由を聞かせてほしい。そう問えば…

 「しぶとさよ」

 なるほど。週末の巨人戦、確かにそうだった。大山悠輔の土曜のサヨナラ弾も起点は糸原の一打。2球で追い込まれてからファウルを4球連ね、ビエイラの8球目、159キロを左へ…しぶとかった。 日曜は2点を追う七回無死一、三塁で、フルカウントからデラロサの沈む変化球を一、二塁間へ運び(二ゴロ)、二塁封殺の間に三塁走者を迎え入れた…確かに、しぶとかった。この一打について聞けば、金本は褒めていた。

 「理想をいえば、もう少し一塁寄りに転がせれば、ランナーが二塁に残るんだけどな。それでも、ポップフライを上げたり、三振しないんだから(仕事をした)」

 指揮官が選手を「総合点」で判断するのは当然であり、基本的にポジション一つの争いならその点数の高い者がレギュラー。しかしそこには数字では表せない現場指揮者が肌で感じる信頼度も必ずあり…糸原の「しぶとさ」は、矢野も、そして、かつての将も頼りたくなったストロングなのだ。

 先述した金本の発言で「今は糸原」の「今は…」の意味については、また今度…=敬称略=

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