ハイボールで乾杯を…

 【6月30日】

 プロゴルファー勝みなみがハマスタにいた。6月28日の今カード初戦のことである。勝といえば、熱烈な虎党で有名だけど、今回は神奈川県内でのツアー参戦を控え「虎充電」したかったはず…   だけど、西勇が先発したあの試合は残念ながら逆転負けだった。

 横浜のホテルで開催されたツアー前夜祭のあと勝が球場へ駆けつけると、試合は既に中盤で、DeNAが追加点。客席でハイボールを飲みながら、阪神の勝利を信じ手を叩いていたそうだけど…。

 「(阪神戦を)生で見ると元気をもらえます」

 そんなことを言ってくれる勝のようなプロがいると、女子ゴルフに疎い僕でも、彼女が出場するツアーに興味がわくというものだ。

 女子ツアーといえば、先週、千葉県内で開催された大会で選手-キャディー間のトラブルが話題になった。阪神球団内でもゴルフ好きが多いので、業界内の繋がりもあって色んな見方を聞いた。僕は経緯も事情も知らないし、まして取材もしていないので、当欄であれこれ批評するつもりはないが。

 選手とキャディーの関係性は様々と聞くけれど、「主従」でいえば選手が「主」。キャディーを選び、もしイヤだったり相性が悪ければ、自らの意思で変えられる。どっちが良い、悪いではなく。

 例えばコーチングを越権と捉えるかどうか。それも両者の関係性によるだろうし…

 そういえば、プロ野球でキャディー的な存在っているだろうか。伴走者という意味ではどうか。そんなことを書きながら、あらためて思うのは、野球選手はコーチを選べないということだ。肌が合わない。指導が合わない。そう感じても「あの人イヤだから外して」なんて通らないし、逆に「変えないで」も通らない世界である。

 連日、大山悠輔の話を書く。

 彼の打席のたびに僕は三塁ベンチを見やる。サヨナラ負けの夜、暫く立ち尽くすその表情は変わらないけれど、気持ちを推し量る。

 打撃コーチ新井良太である。

 主従というよりは、僕の見方では、選手と共に考え、汗を流し、目一杯付き合う伴走者。それが良太コーチの有り様に見える。ここ数年は大山成長の陰に良太あり…取材の限り、それは間違いのないこと。だからこそ、通過点とはいえ「通算100号」が気にならないわけはないと思う。そこが目標じゃないので躍起になることもないのだけど、とはいえ、ホームラン打者がホームランから遠ざかれば、当人も、コーチも考える。相手ベンチから最も警戒される打者だから簡単じゃないけれど、こんなときこそ、大山は感じているはずだ。伴走者の有り難みを。

 この夜、勝みなみはさすがにハマスタに来なかった。ちなみに、今ツアー2日目のきょう7月1日は勝の誕生日である。彼女は今朝もきっとデイリーを読んでいる。だから虎が横浜から名古屋へ移動することもきっと知る。月替わりの初戦。24歳になった彼女を祝う夜になれば…願わくば記念弾で。=敬称略=

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