いよいよ7月8日に

 【7月6日】

 秋山翔吾は「安芸の宮島」をのぞむ大野寮で近本光司の30試合連続安打を見たはずだ。いや、その時間はバットを振っていたか。いやいや、やはり1軍の試合中継をじっくり見ていたのでは…。

 この日の昼、秋山はウエスタンリーグのソフトバンク戦(由宇)で4安打を放った。言うまでもなくただものじゃない。でも、それくらいのヒットメーカーであることは、みんなよく知っている。それよりも、個人的に驚いたのは、アメリカ帰りの彼が、現在カープの若手と同じ屋根の下で寝食を共にしていることである。

 聞けば、秋山は広島市内でマンションを探しているという。ふつう、引く手あまたのFA戦士なら新居が見つかるまでは高級ホテルに…なんてのがこの世界の常。イキサツが分からないので軽々に書けないけれど、寮に仮住まいするのもなんとなく「秋山らしい」ように思う。いや…失礼。「秋山らしい」なんて馴れ馴れしく書くほど、彼を詳しく知らない。あくまで周辺取材して、人となりを聞いて何となくそう思うだけで。

 そんな秋山のもつ大記録「31試合連続安打」にきょう挑むのが、近本光司である。技術もさることながら、どれだけ強靱なメンタリティーをたずさえるのか。阪神という、いろんな意味で周囲が賑やかな球団で30試合も続けて…もはや、どんな形容も見つからない。

 いよいよ俺の記録に並ぶか…。秋山がそんなことを思っているかどうかは別にして、夏場以降、近本&秋山のマッチアップを同じフィールドで堪能できるのは、TC戦の新たな醍醐味になりそうだ。

 カープ関係者によれば、秋山は明日昇格するという。つまり、8日、バンテリンドームの中日戦で「カープ秋山」がデビューする。セの投手相手にどう対応するのか楽しみだし、戦力としてもたらすグラウンド上のプラスはもちろんだけど、そのほか、有形無形の財にも興味がわく。

 「まず人としてお手本になる」

 旧知のカープ関係者はみんなそんな類のことを口にする。

 これ、大事。戦力になっても、「人として」が備わらないピースが加わることは、長い目で見れば「補強」にならない。秋山は陰と陽でいえば明らかに陽だけど、その逆であれば、たとえスター選手が加われど、和が乱れたり、組織の秩序が崩れたり…残念ながらそんな例がなくはない。

 「秋山はカープのチームカラーに合います」

 これも僕が知るカープ関係者が口を揃えること。カープは長い目で見ても「いい補強」をした。

 さて、隣の庭に嫉妬している場合ではない。秋山が昇格する8日といえば、阪神にも変化が加わる日だ。新助っ人アデルリン・ロドリゲスが8日金曜日に来日すると聞いた。打撃や守備のことは、ストロングもウイークも耳にするけれど、性格や人間性は、分からない。タイガースにとって「いい補強」になってほしいし、「人として」も若虎の助っ人になってくれればと願っている。=敬称略=

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