プロ初打席だったか

 【8月4日】

 朝方、ピロリンとLINEが鳴った。デイリースポーツ3面の連載を担当する松下雄一郎からだった。

 「秀逸っす!」

 絵文字とともにそう書いてあったので、すぐに返信した。

 何が「秀逸」か。書きたいところだけど、こちらが褒められたことは、なかなか書きづらいものなので、また気が向いたら(書かへんのかい)。

 「松下さんは『松とら屋』で風さんのこと、ちょくちょく話題にしていますけど、風さんは松下さんのこと書かないんですか?」

 阪神ファンの方からそんなツイートをもらったばかり。

 一度、書いたことあるんですよ-なんて返信しながら、ふと思った。松下と僕とのLINEを何日も遡って読んでみると、プッと笑えるものも多いんだけど、けっこう真面目なやりとりもしている。

 今回は、村上宗隆の話。

 例の3打席連続被弾をああだこうだ…。メディア側の人間と話していても、特に3本目については皆さん色んな論じ方がある。松下にもあるし、僕にもある。

 目の前の巨人戦に没頭しながらしかし、ヤクルトの話題に触れずして書けない8月戦線である。

 先方が負けてくれないことには光が見えない。だから言いたい。頼むぞ、竜…と思っていたら、神宮は雨天中止。勝てば半歩接近できた巨人戦だけど、序盤にあれよあれよと失点を重ねてしまった。

 もったいないとしか書きようがないのだけど、その前に「野球は確率のスポーツ」と何度も書いてきた当欄が、三回の攻撃を振り返れば、ちょっと、石井大智には気の毒なタクトがあった。

 5失点した直後の攻撃で、阪神は無死一、二塁の好機を得た。

 今のTとGはチームの勢いが違う。いけいけどんどんである。

 そこで矢野燿大は二番手でマウンドへ送った石井をそのまま打席に立たせ、犠打を命じた。

 えっと、石井の打撃…。慌てて調べれば、そうか。36試合目の出場にして、彼にとってはこれがプロ初打席だった。

 結果は三塁封殺。もちろん、プロである以上、日ごろから犠打の練習は積んでいるだろうし、初打席だろうが何だろうが関係ないといえばそうだ。とはいえ、このゲームの中でこの打席が意味するもの…いや、それ以上に、残り試合数、そしてヤクルトのゲームがなかった戦況を考えたときに、どうだったか。本人はバントを決められず悔しいだろうけど、僕は石井を責める気にはなれなかった。

 朝っぱらからデイリーのコラムニストが2人して村上をどう抑えるべきか絵文字抜きで論じた日である。LINEで僕が書いたのは前述したように「野球は確率のスポーツ」だということ。松下もこれには同意なんだけど、彼のおもしろい視点は…って行数がなくなったので、それこそ近いうちに。

 前夜、矢野は「明日の試合は絶対に取る」と誓っていた。点差ほど負けた気がしないこの気持ちは何だ。また、朝からLINEが鳴るか…。=敬称略=

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