感謝状いただきました

 【8月6日】

 大阪府知事の吉村さんから感謝状いただきました。緊張した-。

 え?なに?このつぶやき…

 大阪府から一体何を感謝されたのか。気になって、「緊張した」というその当人を訪ねてみた。

 ツイッター見ましたよ。

 そう伝えると、小波津祐一(こはつ・ゆういち)は「なんの?」と惚けてほほえんだ。

 しつこく聞けば、このたび大阪府の「子ども輝く未来基金」に1000万円を寄付したそうで。

 「僕自身、子どものころ自宅にお風呂がない環境で育ったりしたのでね。大阪府に聞いてみたら、寄付すれば『子ども食堂』とか、色んなところにお金が回ると聞いて、子ども達の未来のためにも何かできたら…という思いから、やらせてもらったんだけどね」

 小波津という名に見覚えのある読者もいらっしゃると思う。

 治療家としてヤンキース松井秀喜の専属トレーナーを務め、阪神では金本知憲の右肩治療に携わったことで、球界でもその腕が広く知れ渡った。実は、僕の母親も足の治療でお世話になったことがあり、個人的にも恩人である。

 社会問題になっている「子どもの貧困」は、小波津が以前から携えていた問題意識の一つだ。中には、将来プロを夢見る野球少年もいるかもしれない…。子ども達が同じスタートラインに立ち、未来へ進めるよう設置された「未来基金」への支援にはまた、小波津が天職にする「治療家」に対する見識を広めたい思いもあるそうだ。

 「『将来治療家になりたい』という子ども達の話をあまり聞かないでしょ?夢のある話がないのかな…と思ったり。でも、僕としては、治療家は良い仕事だし、そのことが少しでも子ども達に伝わったらという思いもあるんだよ」

 もし、この支援が治療家によるものだと耳にすることがあれば、子ども達はどう感じるか。困っている人、そして子どもを救う、そんな仕事もあるのだと知れば…。

 これまで、僕も多くのスポーツトレーナーとお付き合いさせてもらってきた。阪神、広島でも多くの選手が新型コロナに罹患する今季は、両軍トレーナーの心も心配になる。症状が治まればすぐにゴーなんて簡単な話じゃない。表舞台で怪我なく戦えるパフォーマンスに戻すには相応の準備が要る。

 大山悠輔、北條史也がコロナ陽性で離脱すると発表された今季の101試合目に考える。首位とのゲーム差を踏まえれば、今季最も分の悪いカープとの3連戦はロードの正念場だ。大山の代役で昇格したロハスJr.の一発が殊勲打になり、望みを繋いだ夜。矢野がいう「ドラマ」を起こすためには…。

 ヤクルトの主力を何人も治療したことがある小波津は言う。

 「野球に限らず、同じチームでポジションがかぶる選手を治療すると、変な空気になることがあってね。皆ライバルだから仕方ないんだけど…ヤクルトにはそれがない。皆で戦おうという空気、チームワークが強さの理由なのかな」

 小波津先生、阪神にもそういう空気…あるんです。=敬称略=

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