年齢にまつわる不都合
【2月27日】
キングカズが「もう面倒」だと書いていた。この日の日本経済新聞だ。26日に59歳を迎えた三浦知良は同紙に寄稿するコラム『サッカー人として』で今回もずばりホンネを語っている。
何が面倒だって、「何かにつけ『○歳の三浦知良』と形容されること」だという。いっそ「60歳」でいい、と。
来年2月で「還暦」を迎えるカズだけど、ナント、再びJリーグへ戻ってきた。J3福島のデビュー戦を見させてもらったが、3トップの中央でくさびになり、スライディングで相手ボールを奪いにいく様は信じ難い。そりゃ全盛期を知る者が「もう見たくない」という気持ちも分かる。が、カズは今回のコラムでこう綴っている。
年にまつわる不都合に出くわすたびに「いや、まだできる」という思いが勝ってしまう。「マダデキル症候群」と言われそうだ。(原文まま)
まだできるのか、できないのか。
プロアスリートに明暮ついてまわる自問自答に違いない。年齢が競技者の平均値を超えたとき、また、大きなケガを負ったとき、千思万考する。華やかなストーリーが脚光を浴びる世界には必ず陽と陰があって、第一線に身を置く者ほど双方を経験するものだ。大谷翔平一色になるこの1カ月。同じ野球界で様々な「不都合」と向き合う者の心も忘れないでおきたい。
その一人、左アキレス腱断裂の手術を受けた石井大智がこの日、自らの現在地について語った。我々はどうしても先を知りたがる。いつ走り、いつボールを握り、投げるのか。が、本人にとって標準的な「全治」は意味を為さない。「自分が今できることをやるしかない。それは別に前向きではないですけど、選択としては一つしかないので」。石井が言うその通りだし、リアルを直視する彼を応援していく。
さて、沖縄から帰った藤川阪神は早速全体練習を行い、いよいよ、ここから振り分けが始まる。再スタートの初日、そのメンバーを見れば、甲子園には岡城快生や谷端将伍ら新人、また、嶋村麟士朗や福島圭音ら育成選手、更に工藤泰成や石黒佑弥、町田隼乙ら生き残りをかける若虎が呼ばれていた。一方、ファーム施設のSGLには糸原健斗や岩貞祐太、梅野隆太郎、木浪聖也らまだまだ1軍戦力であるべきベテランが若手に混じり汗を流した。
2年目の藤川阪神は新陳代謝が激しくなるのか、ならないのか。これは指揮官がそうさせたくてなるものではない。早いものであすから3月だが、1軍のプレシーズンマッチは代表戦を含め開幕まで14試合。生きたゲームで若い血が目覚ましい結果を残せばチームの勢力図に変化が加わり、化学反応が起こる。球児がそれを歓迎しないわけはないが、そうなれば、ベテランの立ち所はおのずと苦しいものになる。
新芽のためにもその壁となり、歳を「不都合」にしてほしくない30代の選手もいる。まだまだできるんだ、と。
究極の「マダデキル症候群」こと、キングカズはコラムで綴る。
胸を張れるのは、どこにいても一生懸命だったこと-。=敬称略=
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