いい捕手の条件とは何だ

 【3月14日】

 強打の捕手が右翼へのドデカい一発でマイアミを沸かせた。WBC準々決勝はドミニカ共和国のA・ウェルズが七回に本塁打を放ち、韓国にコールド勝ち。4強入りを果たした。

 カープ戦を取材するマツダスタジアムの記者席でドミニカ大勝のニュースを見た。「サヨナラ勝利」の立役者は昨年ニューヨーカーを沸かせたひとりだ。21本塁打でブレークしたウェルズが2度目の世界一を狙うドミニカ共和国代表に招集された。スタメン総年俸3599億円ともいわれる布陣でベンチスタートの捕手が1打席で結果を出す。勝ち上がれば脅威でしかない。

 さて、こちら目の前のゲームに話を移せば、初回先頭打者の近本光司が右翼へドデカい一発を放ち幕を開けた。広島先発の高太一が2球続けた高めの直球を仕留めたわけだが、こちらの身勝手な結果論でいえば、失投とはいえ「簡単にいきすぎた」か。試合後、そのあたりをカープヘッドコーチ藤井彰人に聞けば「いや、全然。配球に注文はないですよ」という。ただ、ベンチ裏で監督の新井貴浩と藤井があらためて共有した認識は「今の打線の中軸に輝と森下が加わるということ」。高が開幕ローテを担うならリアル阪神打線を想定したときにどうか。そんな視点で見ていたという。当然、そうなる。

 今年初対戦となった双方のベンチが気を留めるのは、ブレークするかも?の新戦力だ。カープでいえば、この日2安打の平川蓮もそう。では、カープベンチが気になる阪神のそれは誰か。先発マスク嶋村麟士朗もその一人だろう。育成契約から支配下に昇格したばかり。カープ首脳のなかにはウエスタン・リーグで何度も見た者もいるが、「お手並み拝見」したい者もいる。

 嶋村くんってどう?ぶしつけにそんな聞き方をしても答えづらい。スコアラーじゃあるまいし。だから角度を変えて藤井に聞いてみた。捕手出身のヘッドにとって「いい捕手」「レギュラーにしたい捕手」とはどんな捕手か?

 藤井は「難しいですね」と言った。

 「扇の要」といわれるポジションだから守備重視は当然のこと。例えば、「刺せる捕手」か?そう問えば言う。

 「肩はめちゃくちゃ強いけど、きちんと捕れなかったらダメですしね」

 では、リードに優れた捕手か?

 「データがたくさんある今のプロ野球ではその考え方は減ってきているかも…。(コーチが)教育するか、究極、ベンチからサインを出せばいいという考え方もある。例えば、風さんという打者にだったらこのボールを投げる、そのボールが飛んでいきやすいところに野手は守る。チームとして『そこに投げろ』という時代ですから」

 自軍に様々なストロングを持つ捕手がいるのだから、聞き方がイジワルだったか。藤井は続ける。

 「まあ、一番は勝たせる捕手かな。結局、トータル的にチームでそれが一番の者が、レギュラーなんですよね」

 何かに特化、一つに秀でるというよりも、こいつが出ればチームは負けない。そういう捕手が一番。当然といえば当然だけど、奥が深い。=敬称略=

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