何が一番難敵になるのか

 【8月4日】

 SGLへ寄ってから横浜へ来た。関西の猛暑に比べれば、ハマの夜空は風があってまだ過ごしやすい。観戦日和とまではいかないが、ここでは熱中症の心配がなさそうだ。

 ハマスタのマウンドで懸命に腕を振る村上頌樹を眺めながら、夏の甲子園大会を思う。きょう、第108回全国高校野球選手権が開幕する。尼崎でファームの残留組を取材したあと甲子園でリハーサルの雰囲気にも触れてきたが、個人的に今夏はちょっと寂しい。なぜって、ことごとく推しの学校が地方大会で姿を消したから。

 そのひとつが村上の母校、奈良智辯学園である。今春センバツの準V校は3回戦で奈良大付に敗れ、早々に姿を消した。その試合を見させてもらったが、智辯は4点を先制しながらプロ注目左腕の杉本真滉が7回140球6失点で無念の降板。明らかな熱中症だった。足をつってベンチへ下がり、治療に5分以上かけるなど戦える状態ではなかった。勝った奈良大付の監督は相手エースを思いやり、試合中ずっと日なただった智辯ベンチが「休んでいる間もしんどそうだった」と、危険な日差しを浴び続けた敵陣の体調を気遣った。智辯にとって「敵」が対戦相手だけじゃなかったことは、見ていてやるせなかった。しかるべき組織が、球児にとって「環境が難敵」にならないような対策を。難しいのは分かるが…。

 さて、こちらハマ風がいつもとは逆の環境で阪神は接戦を落とした。といっても敗因は風ではない。制球抜群で1点に抑えた村上ももちろん責められない。四回に宮﨑敏郎に献上した決勝打も投げミスではなかったわけで。

 打った宮崎を褒めるべきだし、勝負強い彼は本当に嫌な打者に映るけれど、この夜に限って僕がクローズアップしたいのは、その直前。筒香嘉智の打撃に嫌らしさを感じたのだ。

 あの回、先頭牧秀悟の二塁打でチャンスメークされると、無死二塁の状況で、筒香は追い込まれてから外のボール球を半ば強引に引っ張りこむような打撃を見せた。一塁ライン上へ転がし、結果は投ゴロになったが、これで三塁へ進んだ牧が宮崎の一打で決勝のホームを踏んだ。

 ごめんなさい、記憶がおぼろげだけど、筒香ってメジャーへ行く前、こんな打撃してましたっけ?得点圏でも、そうじゃなくても、オレが決めてやる!そんなイメージが強かったもので…。今後も彼がこの夜のような打撃をやってくるのはちょっと嫌かも。

 「今年はDeNAが難敵になる」と私は2月に書かせてもらいました。こちらの4番、佐藤輝明が無安打に封じられたのも、嫌らしいデータ班の守備網ですか。これで対戦成績は7勝7敗?足を引っ張られるのは感じがよろしくない。というか、尾形崇斗はやっぱりいい投手だ。しかし、彼、ソフトバンクではリリーフだったよね?ホークス関係者に電話してみると、「尾形?オフから先発調整してましたよ」。何だかよく分からないけど、彼は気迫も出て、熱いし…。気が進まないけど、難敵に加えておきます。 =敬称略=

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