「チームになる」ニゴロ

 【8月5日】

 ハルトの登板試合で11失点する。誰が予想しただろうか。なんでこんな展開になったのか。野球にミスはつきものだけど、ここまで大味な試合になると、疲れ目が染みる。

 勝敗を分けたものは?敗軍の将、藤川球児は「ミスをした方が負ける」と語った。では、勝軍の将は…

 「サインというわけじゃないんですけど、自分でね…。自己犠牲というものをね…。きのうは筒香がチームのために1点を取りにいく姿というのが非情に頼もしく感じましたし…」

 試合後、相川亮二は三回の「ゴロ」が分岐点になったと強調した。

 あれは一見淡泊な二ゴロだった。無死二塁から佐野恵太が初球のスライダーを簡単に転がした。ノーサインの中、3番打者がヒットを狙わず、ただただ走者を三塁へ進める打撃に徹したのは、あのとき、あの打ち方がベストだとジャッジしたから。DeNAが2点をリードする展開で佐野の進塁打が効いて、続く4番エンカーナシオンの遊ゴロで5点目。ハルト相手だから次の1点がとても大切。佐野も新助っ人もそれをよくよく分かって、ああいう自己犠牲の打球を転がしたのだ。

 この回は先頭牧秀悟のショートへの飛球を元山飛優がグラブの土手に当ててまさかの落球。堅い守りの彼が目測を誤ったのは、いじわるな突風だったか。いずれにしても、猛虎にとって負の起点となってしまった。

 あらためて書くのも何だけど、野球場には「まさか」が転がっている。誰もが投手戦を予想したゲームでハルトが4回で降板するなんて想定できるものじゃない。だからこそ、指揮官の藤川球児はいつも言う。

 「凡事を徹底すること」

 覆水が盆に返らないならば、ミスをどう省みるか、それに尽きるわけだけど、この2日間はフォア・ザ・チームに徹するDeNA主軸の献身野球にやられた感が残る。

 きのうは当欄で筒香嘉智の進塁打について書いた。外のボール球を意図的に一塁ライン上へ転がし、走者を進めて決勝打を呼び込んだが、この夜は一転、その筒香がハルトの外角球を押し込んで左翼へ2ラン。小技も大技も冴える筒香が実に憎らしくもある。

 ハマスタのライトスタンドで大きな青い横断幕が揺れていた。白い文字で「BE A TEAM、WIN IT ALL」と書かれてある。失礼ながら、これが敵軍の今季のチームスローガンであることをいま頃知った。

 直訳すれば「チームであれ。全てを勝ち取れ」くらいだろうか。球団のホームページを見れば「選手、スタッフ、ファン、そして横浜の街、この全ての人たちの力を集結させ、全員で一つのTEAMになること」とあるが、確かに、こういう試合になればなおさらハマスタの雰囲気はヨソにはない一体感を醸し出すような気がする。

 球児は「束になってかかっていく」猛虎の強みを語るが、お株を奪われては困る。村上と遥人を立てて連敗はしんどい。さあ3つ目。一層「チーム」になって取りにいこう。=敬称略=

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